仕事をしていると、「企画の中身はあるのに、うまく伝わらない」「話していることは正しいはずなのに、なぜか通らない」と感じることがあります。
企画が通るかどうかは、アイデアの良し悪しだけでなく、整理の仕方や伝え方にも大きく左右されます。
そんなときに役立つのが、企画を通すためのフレームワークです。
ただし、企画に使える型はいくつもあります。
5W1H、As Is / To Be、ギャップ分析、1枚企画書、PREPはどれも使いやすいですが、初心者には違いがわかりにくいこともあります。名前だけ知っていても、どれを選べばよいかは意外と迷いやすいものです。
そこでこの記事では、企画を通したいときに使いやすい代表的なフレームワークを整理しながら、それぞれの役割の違い、使い分け、初心者向けの選び方をやさしく解説します。
- 企画を通したいときに何を整理すべきか
- 企画で使いやすい代表的なフレームワーク
- それぞれの違いと使い分け
- 初心者が最初に使うならどれがよいか
- 実務での組み合わせ方
最初から全部を覚える必要はありません。まずは「企画では何を整理するのか」と「どれから使うか」がわかれば十分です。
企画を通したいとき、まず何を整理すべきか
企画を通したいとき、いきなり「これをやりたいです」と話してもうまくいかないことがよくあります。
まず整理すべきなのは、次のような観点です。
- 今どんな状態なのか
- 本来どうあるべきなのか
- その差は何か
- 何をやるのか
- なぜそれをやるのか
- 相手にどう伝えるのか
たとえば、新しい研修施策を提案するときでも、「研修を増やしたい」だけでは通りにくいことがあります。現状はどうか、理想はどうか、その差は何か、なぜ今やる必要があるのかまで整理できてはじめて、企画の説得力が上がります。
この段階を飛ばしてしまうと、フレームワークを使っても表面だけになりやすくなります。
だからこそ、最初に「企画では何を見るべきか」を押さえることが重要です。
企画を通したいときに使いやすいフレームワーク一覧
企画を通したいときに、特に使いやすい代表的なフレームワークは次の5つです。
- 5W1H
- As Is / To Be
- ギャップ分析
- 1枚企画書
- PREP
共有いただいた早見表でも、企画を通したいときのフレームワークとして、この5つが挙げられています。
この中で、どれが一番よいというより、企画のどの部分を整理したいかによって向いている型が違うと考えるのがポイントです。
5W1Hとは
5W1Hは、誰が、何を、なぜ、いつ、どこで、どのようにを整理するための基本フレームです。
企画の骨組みを作るときに非常に使いやすく、抜け漏れを減らしたい人に向いています。
企画が通らない理由のひとつは、必要な情報が足りないことです。5W1Hを使うと、対象者、内容、目的、時期、場所、方法といった要素を抜けなく整理しやすくなります。
5W1Hが向いている場面
- 企画の基本情報を整理したいとき
- まず骨組みを作りたいとき
- 抜け漏れを減らしたいとき
5W1Hが向いていない場面
- 現状と理想の差を深く整理したいとき
- 相手に響く話し方そのものを磨きたいとき
As Is / To Beとは
As Is / To Beは、現状とあるべき姿を並べて考える型です。
「今どうなっていて、どこを目指すのか」を整理したいときに向いています。
企画では、現状の課題が曖昧だと、提案の必要性も弱く見えます。As Is / To Beを使うと、現状と理想を対比できるため、「なぜ今これが必要か」を説明しやすくなります。
As Is / To Beが向いている場面
- 現状と理想を整理したいとき
- 改善提案の必要性を示したいとき
- 変化の方向性を明確にしたいとき
As Is / To Beが向いていない場面
- 細かな伝え方を整えたいとき
- 企画の具体的な文章構成を作りたいとき
ギャップ分析とは
ギャップ分析は、現状と目標の差を整理する型です。
As Is / To Beと近いですが、特に「差」に焦点を当てたいときに向いています。
たとえば、受講率を上げたい企画なら、現状20%、目標40%、その差20ポイントをどう埋めるか、という形で考えられます。
企画の論点を「差」に絞れるため、具体的な打ち手につなげやすいのが特徴です。
ギャップ分析が向いている場面
- 目標との差を明確にしたいとき
- 企画の課題を定量的に見せたいとき
- 打ち手の必要性を説明したいとき
ギャップ分析が向いていない場面
- 企画全体の文章構成を整えたいとき
- 短い説明で印象よく伝えたいとき
1枚企画書とは
1枚企画書は、背景、課題、提案、効果、進め方などを1枚で整理する型です。
企画を短くわかりやすく伝えたいときに向いています。
企画は長く書けば伝わるわけではありません。むしろ、1枚で説明できるくらい整理されているほうが、相手には伝わりやすいことがあります。
1枚企画書は、要点を圧縮しながら、必要な流れを保つのに向いています。
1枚企画書が向いている場面
- 上司や関係者に短く伝えたいとき
- 企画の要点を整理したいとき
- 会議用のたたき台を作りたいとき
1枚企画書が向いていない場面
- まず現状分析をじっくりしたいとき
- 自由にアイデアを広げたい初期段階
PREPとは
PREPは、結論、理由、具体例、結論の順で話す型です。
企画の中身そのものを考えるというより、通るように伝えるための型として向いています。
企画が通らないとき、中身の問題だけでなく、伝え方の順番が悪いこともあります。
PREPを使うと、話が散らかりにくくなり、相手に「結局何が言いたいのか」が伝わりやすくなります。
PREPが向いている場面
- 企画を説明するとき
- 上司への口頭説明を整理したいとき
- 短い提案文をわかりやすくしたいとき
PREPが向いていない場面
- 現状分析そのものをしたいとき
- 企画の情報を洗い出す初期段階
それぞれの違いを簡単に整理すると
ここまで紹介した5つの違いを、簡単にまとめると次のようになります。
- 5W1H → 企画の基本情報を抜けなく整理する型
- As Is / To Be → 現状と理想を対比する型
- ギャップ分析 → 現状と目標の差を明確にする型
- 1枚企画書 → 企画全体を短く整理する型
- PREP → 企画をわかりやすく伝える型
このように、同じ「企画を通したい」という用途でも、それぞれ役割が少しずつ違います。
初心者ならどれから使うべきか
初心者が最初に使うなら、まずは5W1Hがおすすめです。
理由は、企画に必要な基本情報を整理しやすく、他の型の土台にもなりやすいからです。
「誰に」「何を」「なぜ」「いつ」「どこで」「どうやって」が整理されるだけでも、企画の見え方はかなり変わります。
そのうえで、必要に応じてAs Is / To Beやギャップ分析で背景を強くし、最後にPREPで伝え方を整える流れが使いやすいです。
迷ったら、まずは5W1Hから始めるのがおすすめです。
実務でのおすすめの組み合わせ
実務では、フレームワークは1つだけで使うより、組み合わせたほうが力を発揮しやすいです。
たとえば、企画なら次のような組み合わせが考えられます。
パターン1
- As Is / To Beで現状と理想を整理する
- ギャップ分析で差を明確にする
- 5W1Hで企画内容を具体化する
パターン2
- 5W1Hで企画の骨組みを作る
- 1枚企画書で要点を整理する
- PREPで口頭説明を整える
パターン3
- As Is / To Beで背景を整理する
- 1枚企画書で全体をまとめる
- PREPで上司説明に落とし込む
このように、
現状整理 → 差の明確化 → 企画具体化 → 伝え方整理
の流れで組み合わせると使いやすくなります。
企画でフレームワークを使うときの注意点
注意
フレームワークは便利ですが、型に当てはめること自体が目的になると、企画の説得力は上がりません。
企画でよくある失敗は、次のようなものです。
- 背景が弱いまま提案だけが先に来る
- 情報はあるが相手に伝わる順になっていない
- 現状分析が浅く、必要性が伝わらない
- 型を使っただけで中身が薄い
特に初心者は、「フレームワークを使えば通る」と思いがちですが、そうではありません。大切なのは、相手が納得できる流れで整理することです。
まとめ
企画を通したいときに使うフレームワークはいくつかありますが、最初からすべてを使いこなす必要はありません。
大切なのは、企画で何を整理したいのかをはっきりさせ、その目的に合った型を選ぶことです。
今回紹介したように、
- 5W1Hは企画の基本情報を整理する
- As Is / To Beは現状と理想を整理する
- ギャップ分析は差を明確にする
- 1枚企画書は要点をまとめる
- PREPは伝え方を整える
という違いがあります。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは5W1Hから使ってみてください。
大切なのは、きれいに書くことではなく、相手が納得しやすい形に整理することです。
まずは身近なテーマで1回試してみてください。研修提案、会議改善、資料刷新、社内制度見直しなど、小さな企画でも十分です。
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企画だけでなく、その前段で使う型も一緒に知っておくと、実務でさらに使いやすくなります。