仕事をしていると、「何が問題なのかうまく言葉にできない」「課題が多すぎて、どこから考えればよいかわからない」と感じることがあります。
そんなときに役立つのが、問題整理のためのフレームワークです。
ただし、問題を整理したいときに使える型はいくつもあります。
MECE、ロジックツリー、Why-Why、空雨傘はどれも有名ですが、初心者には違いがわかりにくいこともあります。名前だけ知っていても、どれを選べばよいかは意外と迷いやすいものです。
そこでこの記事では、問題を整理したいときに使いやすい代表的なフレームワークを整理しながら、それぞれの役割の違い、使い分け、初心者向けの選び方をやさしく解説します。
- 問題整理では何を整理すべきか
- 問題整理で使いやすい代表的なフレームワーク
- それぞれの違いと使い分け
- 初心者が最初に使うならどれがよいか
- 実務での組み合わせ方
最初から全部を覚える必要はありません。まずは「問題整理では何を見るのか」と「どれから使うか」がわかれば十分です。
問題を整理したいとき、まず何を整理すべきか
問題を整理したいとき、いきなり解決策から考えるとうまくいかないことがよくあります。
まず整理すべきなのは、次のような観点です。
- そもそも何が起きているのか
- その問題をどう分けて見ればよいのか
- 原因はどこにありそうか
- 何を打ち手として考えるべきか
たとえば「受講率が低い」「売上が落ちている」「仕事が回らない」といった悩みがあっても、そのままでは大きすぎて考えにくいことがあります。
まずは、問題を分け、構造を見て、原因を掘り、打ち手につなげる必要があります。
この段階を飛ばしてしまうと、フレームワークを使っても形だけになりやすくなります。
だからこそ、最初に「問題整理では何を見るべきか」を押さえることが重要です。
問題を整理したいときに使いやすいフレームワーク一覧
問題を整理したいときに、特に使いやすい代表的なフレームワークは次の4つです。
- MECE
- ロジックツリー
- Why-Why分析
- 空雨傘
共有いただいた早見表でも、問題を整理したいときのフレームワークとして、この4つが挙げられています。
この中で、どれが一番よいというより、何を整理したいかによって向いている型が違うと考えるのがポイントです。
MECEとは
MECEは、モレなくダブりなく整理するための考え方です。
問題整理の土台として非常に使いやすく、論点が散らかりやすい人に向いています。
たとえば、問題の原因を洗い出すときに、同じことを別の言葉で重ねていたり、大事な視点が抜けていたりすると、議論が進みにくくなります。MECEを意識すると、分類の質を高めやすくなります。
MECEが向いている場面
- まず論点をきれいに整理したいとき
- 抜け漏れを減らしたいとき
- 会議や企画書の構成を整理したいとき
MECEが向いていない場面
- 原因を深く掘り下げたいとき
- 具体的な打ち手をそのまま出したいとき
ロジックツリーとは
ロジックツリーは、問題や要因、打ち手を枝分かれで分解して整理する型です。
大きな問題を小さく分けて考えたいときに向いています。
たとえば「研修の受講率が低い」という課題があるなら、それを「認知」「申込」「意欲」「受講環境」などに分けることで、どこに問題があるかを見やすくできます。
ロジックツリーが向いている場面
- 問題を構造で見たいとき
- 要因を分解して考えたいとき
- 打ち手を漏れなく洗い出したいとき
ロジックツリーが向いていない場面
- まず自由に発想を広げたいとき
- 1つの原因を深く掘ることだけに集中したいとき
Why-Why分析とは
Why-Why分析は、「なぜ」を繰り返して真因を探る型です。
問題の表面ではなく、根本原因を見つけたいときに向いています。
たとえば「受講率が低い」なら、なぜ低いのか、なぜそうなったのか、と繰り返していくことで、案内不足なのか、必要性が伝わっていないのか、上司の後押しが弱いのか、といった真因に近づきやすくなります。
Why-Why分析が向いている場面
- 一つの問題の真因を深掘りしたいとき
- 表面的な対処で終わりたくないとき
- 再発防止策を考えたいとき
Why-Why分析が向いていない場面
- 問題全体を広く整理したいとき
- 複数の論点を同時に比較したいとき
空雨傘とは
空雨傘は、事実、解釈、打ち手を分けて考える型です。
問題を見たときに、事実と意見が混ざってしまいやすい人に向いています。
「空が曇っている」が事実、「雨が降りそうだ」が解釈、「傘を持って行こう」が打ち手、という流れで考えます。
仕事でも、「売上が落ちている」という事実に対して、「競合流出が起きているのでは」という解釈をし、「既存顧客への接点を強化する」といった打ち手に落とす形で使えます。
空雨傘が向いている場面
- 事実と意見を分けたいとき
- 会議や報告で考え方を整理したいとき
- 打ち手を論理的につなげたいとき
空雨傘が向いていない場面
- 問題を細かく構造分解したいとき
- 真因を何段階も深掘りしたいとき
それぞれの違いを簡単に整理すると
ここまで紹介した4つの違いを、簡単にまとめると次のようになります。
- MECE → 問題整理の質を高める基本ルール
- ロジックツリー → 問題を構造で分解する型
- Why-Why分析 → 一つの問題の真因を深掘りする型
- 空雨傘 → 事実、解釈、打ち手を整理する型
このように、同じ「問題整理」でも、それぞれ見る角度が少しずつ違います。
初心者ならどれから使うべきか
初心者が最初に使うなら、まずはロジックツリーがおすすめです。
理由は、問題を小さく分けて考える感覚がつかみやすく、原因整理にも打ち手整理にも応用しやすいからです。
また、ロジックツリーを使う過程で、MECEの考え方も自然に意識しやすくなります。
真因を深く掘りたい場面ではWhy-Why分析、説明や報告の整理には空雨傘も有効ですが、最初の1本としてはロジックツリーが入りやすいです。
迷ったら、まずはロジックツリーから始めるのがおすすめです。
実務でのおすすめの組み合わせ
実務では、フレームワークは1つだけで使うより、組み合わせたほうが力を発揮しやすいです。
たとえば、問題整理なら次のような組み合わせが考えられます。
パターン1
- 空雨傘で事実と解釈を分ける
- ロジックツリーで問題を分解する
- Why-Why分析で真因を深掘りする
パターン2
- MECEで論点の抜け漏れを確認する
- ロジックツリーで構造化する
- 打ち手を整理して次の行動につなげる
パターン3
- 空雨傘で報告の筋道を整える
- MECEで重複や抜けを点検する
- Why-Why分析で再発防止につなげる
このように、
状況把握 → 構造化 → 深掘り → 打ち手整理
の流れで組み合わせると使いやすくなります。
問題整理でフレームワークを使うときの注意点
注意
フレームワークは便利ですが、名前に振り回されると逆にわかりにくくなることがあります。
問題整理でよくある失敗は、次のようなものです。
- 最初から正解のフレームワークを探しすぎる
- 形だけ使って中身が浅い
- 問題を分解しただけで終わる
- 原因と打ち手が混ざる
特に初心者は、「全部使わないといけない」と考えがちですが、そうではありません。大切なのは、今の悩みに合う型を選ぶことです。
まとめ
問題を整理したいときに使うフレームワークはいくつかありますが、最初からすべてを使いこなす必要はありません。
大切なのは、問題整理で何を見たいのかをはっきりさせ、その目的に合った型を選ぶことです。
今回紹介したように、
- MECEは整理の質を高める
- ロジックツリーは構造で分解する
- Why-Why分析は真因を掘る
- 空雨傘は事実と解釈と打ち手を分ける
という違いがあります。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずはロジックツリーから使ってみてください。
大切なのは、きれいに整理することではなく、問題を見える化して次の行動につなげることです。
まずは身近なテーマで1回試してみてください。受講率が低い、会議が長い、申請が遅れる、資料作成に時間がかかる、など小さなテーマでも十分です。
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問題整理だけでなく、その前後でよく使う型も一緒に知っておくと、実務でさらに使いやすくなります。