マーケティングや営業を学び始めると、4P、AIDMA、AISAS、USP、RFM分析、LTV、BANTなど、たくさんのフレームワークが出てきます。
ただ、名前は知っていても、「結局どれをどんな場面で使えばいいのか分からない」と感じることは少なくありません。
実際、これらのフレームワークは全部同じ役割ではありません。
商品設計に向くものもあれば、顧客行動を見るもの、営業案件の見込み度を確認するもの、既存顧客を分析するものもあります。
そこでこの記事では、マーケティング・営業で使う代表的なフレームワークを一覧で整理しながら、初心者向けに使い分けをやさしく解説します。
この記事でわかること
- マーケティング・営業で使う代表的なフレームワーク一覧
- それぞれの役割の違い
- 目的別の使い分け
- 初心者がどこから学ぶとよいか
- 個別記事への入り口
最初から全部覚える必要はありません。まずは「今の自分の目的に合う型」を見つけるだけでも十分です。
マーケティング・営業でフレームワークを使う意味
マーケティングや営業では、考えるべきことがとても多くなります。
- 誰に売るのか
- 何を価値として伝えるのか
- どうやって興味を持ってもらうのか
- どこで離脱しているのか
- どの顧客を優先すべきか
- どの案件に営業工数をかけるべきか
これらを頭の中だけで整理しようとすると、論点が漏れたり、議論が散らかったりしやすくなります。
フレームワークは、そうした思考を整理し、共通言語を持つための型です。
大切なのは、「フレームワークを知っていること」ではなく、今の課題に合った型を選んで、判断や行動につなげることです。
マーケティング・営業で使うフレームワーク一覧
このカテゴリでよく使う代表的なフレームワークは、次の通りです。
- 4P
- 4C
- 4A
- AIDMA
- AISAS
- DECAX
- カスタマージャーニーマップ
- ペルソナ
- USP
- FAB
- ベネフィットラダー
- RFM分析
- CPM
- パレート分析
- クロスSWOT
- LTV
- CAC
- AARRR
- ファネル分析
- コホート分析
- NPS
- セールスファネル
- MEDDIC / MEDDPICC
- SPIN話法
- BANT
この中で、どれが一番優れているというわけではありません。
見る対象と、解きたい課題によって向いている型が違うのがポイントです。
商品設計や売り方全体を考えたいときに使うフレームワーク
商品やサービスをどう売るか、全体設計を考えたいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
4P
Product、Price、Place、Promotionの4つで、売り方全体を整理する型です。
商品そのものだけでなく、価格、提供場所、伝え方まで含めて考えたいときに向いています。
4C
Customer Value、Cost、Convenience、Communicationの4つで、顧客目線から価値を整理する型です。
4Pを企業側からの設計とするなら、4Cは顧客側からの見え方を整えるのに向いています。
USP
独自の売りを明確にする型です。
競合が多い市場で、「なぜそれを選ぶのか」をはっきりさせたいときに使いやすいです。
FAB
Feature、Advantage、Benefitの順で、特徴を価値に変えて伝える型です。
商品説明、営業トーク、提案資料を分かりやすくしたいときに向いています。
ベネフィットラダー
機能的価値から感情価値、上位価値へと深掘りする型です。
顧客が本当に欲しいものを深く言語化したいときに向いています。
顧客理解を深めたいときに使うフレームワーク
顧客像や接点、行動の流れを理解したいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
ペルソナ
典型顧客像を具体化する型です。
誰に向けて売るのかを明確にしたいときの基本になります。
カスタマージャーニーマップ
顧客の接点や感情の流れを整理する型です。
認知から購入、継続までの体験を見たいときに向いています。
4A
Aware、Attitude、Act、Act Againで、認知から再行動までを見る型です。
シンプルに顧客行動全体を整理したいときに使いやすいです。
購買行動やデジタル行動を見たいときに使うフレームワーク
顧客がどう動くかを見たいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
AIDMA
Attention、Interest、Desire、Memory、Actionで、購買前の心理変化を見る型です。
広告や販促で、どう行動につなげるかを考えたいときに向いています。
AISAS
Attention、Interest、Search、Action、Shareで、検索と共有を含むネット時代の行動を見る型です。
WebマーケティングやSNS活用と相性がよいです。
DECAX
Discovery、Engage、Check、Action、eXperienceで、発見から体験までを見る型です。
コンテンツ接触や体験設計まで一続きで見たいときに向いています。
顧客や売上データを分析したいときに使うフレームワーク
顧客データや売上データから優先順位をつけたいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
RFM分析
Recency、Frequency、Monetaryで、顧客の今の状態を整理する型です。
優良顧客、離反リスク顧客、休眠顧客などを分けて見たいときに向いています。
パレート分析
重要な少数を見つける型です。
売上上位商品、主要なクレーム原因、重点課題を見つけたいときに向いています。
コホート分析
同じ時期や条件で集まった顧客群のその後の行動を比較する型です。
継続率やリピート率の変化を見たいときに向いています。
NPS
顧客がどれだけ人にすすめたいかを見る型です。
満足度ではなく、支持や推奨意向を見たいときに使いやすいです。
収益性や成長を見たいときに使うフレームワーク
ビジネスの採算やサービス成長を見たいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
LTV
顧客生涯価値を見る型です。
1回の売上ではなく、顧客との関係全体の価値を見たいときに向いています。
CAC
顧客獲得コストを見る型です。
新規顧客を1人獲得するのにいくらかかっているかを確認したいときに使いやすいです。
AARRR
Acquisition、Activation、Retention、Referral、Revenueで、サービス成長全体を見る型です。
アプリ、SaaS、サブスク型ビジネスで特に使いやすいです。
導線のどこで落ちているかを見たいときに使うフレームワーク
集客や営業の途中で、どこで離脱しているかを見たいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
ファネル分析
認知から申込、購入までの各段階で、どこでどれだけ減っているかを見る型です。
LPやEC、申込ページの改善に向いています。
セールスファネル
見込み客から受注までの営業導線を段階で見る型です。
営業案件の歩留まりや、どこで失注しているかを見たいときに向いています。
競合との違いや市場での立ち位置を見たいときに使うフレームワーク
差別化や市場の空白を探したいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
CPM
ここではポジショニングマップとして、市場の中で自社や競合がどの位置にいるかを2軸で見る型です。
差別化の方向を考えたいときに向いています。
クロスSWOT
強み、弱み、機会、脅威を掛け合わせて施策化する型です。
市場環境と自社状況を踏まえて、次の一手を考えたいときに使いやすいです。
営業ヒアリングや案件精査に使うフレームワーク
法人営業や提案営業で、商談の質を上げたいときには、次のフレームワークが使いやすいです。
SPIN話法
Situation、Problem、Implication、Need-payoffで、課題を深く引き出す型です。
いきなり提案するのではなく、相手の必要性を整理したいときに向いています。
BANT
Budget、Authority、Need、Timingで、案件の見込み度をシンプルに確認する型です。
商談初期の優先順位づけに使いやすいです。
MEDDIC / MEDDPICC
BtoB営業で、案件の質や受注条件を多面的に精査する型です。
高額商材や長期案件、複数部門が関与する案件で特に有効です。
初心者ならどこから覚えるべきか
初心者が最初に押さえるなら、まずは次の5つがおすすめです。
- 4P
- USP
- AIDMA
- RFM分析
- BANT
理由は、売り方全体、独自性、顧客の動き、既存顧客の見方、営業案件の見極めという、マーケティングと営業の基本論点を広く押さえやすいからです。
そこから、
- 顧客理解を深めたいなら ペルソナ、カスタマージャーニーマップ
- デジタル行動を見たいなら AISAS、DECAX
- 収益性を見たいなら LTV、CAC
- サービス成長を見たいなら AARRR
- 提案営業を強くしたいなら SPIN話法、MEDDIC
へ広げていくと理解しやすくなります。
目的別に見るとどう使い分ければよいか
ざっくり整理すると、次のように考えると使いやすいです。
- 商品や売り方を設計する
4P、4C、USP、FAB、ベネフィットラダー - 顧客理解を深める
ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、4A - 購買行動を理解する
AIDMA、AISAS、DECAX - 顧客データを分析する
RFM分析、パレート分析、コホート分析、NPS - 収益性や成長を見る
LTV、CAC、AARRR - 導線の詰まりを見る
ファネル分析、セールスファネル - 営業案件を見極める
BANT、SPIN話法、MEDDIC / MEDDPICC - 市場での立ち位置を考える
CPM、クロスSWOT
フレームワークを使うときの注意点
注意
フレームワークは便利ですが、埋めること自体が目的になると意味がありません。
よくある失敗は、次のようなものです。
- 目的に合わないフレームワークを使う
- きれいに整理して満足する
- 数字や図を作って終わる
- 行動や改善につなげない
大切なのは、今の課題に合った型を選び、次の判断や施策につなげることです。
まとめ
マーケティング・営業で使うフレームワークには、売り方全体を設計するもの、顧客を理解するもの、購買行動を見るもの、顧客データを分析するもの、営業案件を精査するものなど、さまざまな型があります。
最初は数が多く見えますが、全部を一度に覚える必要はありません。
まずは、
- 売り方なら 4P
- 独自性なら USP
- 購買行動なら AIDMA
- 顧客分析なら RFM分析
- 営業案件なら BANT
のように、目的ごとの入口を持つだけでも十分です。
大切なのは、フレームワークを暗記することではなく、考えるべき論点を整理して、売れる仕組みや営業改善につなげることです。