マーケティングや営業を考えるときに、よく「顧客理解が大事」と言われます。
ただ、いざ考えようとすると、「誰のことを、どの切り口で、どこまで理解すればよいのか」が分かりにくいことはないでしょうか。
実際、顧客理解と一口にいっても、見るべきものは1つではありません。
- どんな人なのか
- どんな流れで接点を持つのか
- どうやって興味を持つのか
- どう行動していくのか
- ネット上でどう検索し、共有するのか
こうした論点は、それぞれ別のフレームワークで整理すると分かりやすくなります。
そこでこの記事では、顧客理解で使う代表的なフレームワーク5選を、初心者向けにやさしく整理します。
この記事でわかること
- 顧客理解で使う代表的なフレームワーク
- それぞれの役割の違い
- どんな場面で使い分ければよいか
- 初心者がどこから押さえるとよいか
最初から全部を深く使いこなす必要はありません。まずは「顧客理解にもいくつかの切り口がある」と分かれば十分です。
顧客理解でフレームワークを使う意味
顧客理解が曖昧なままだと、マーケティングや営業はぶれやすくなります。
たとえば、
- 誰に向けて書いているのか分からない
- 伝えたい内容がぼやける
- 顧客が途中でどこで離脱するか見えない
- 行動の流れが想像できない
といったことが起こりやすくなります。
逆に、フレームワークを使うと、
- 顧客像
- 接点の流れ
- 行動段階
- 検索や共有の動き
を整理しやすくなります。
大切なのは、顧客を何となく理解した気になるのではなく、切り口ごとに整理することです。
顧客理解で使うフレームワーク5選
今回、顧客理解の入口として押さえやすいのは次の5つです。
- ペルソナ
- カスタマージャーニーマップ
- 4A
- AIDMA
- AISAS
それぞれ役割が違うので、順番に見ていきます。
1. ペルソナ
ペルソナは、典型的な顧客像を具体化するフレームワークです。
もっとやさしく言うと、
誰に向けて売るのかを、顔が浮かぶくらい具体的にする型
です。
たとえば、
- 年齢
- 職業
- 生活スタイル
- 悩み
- 情報収集のしかた
- 価値観
などを整理していきます。
ペルソナが向いている場面
- 誰向けに発信するかを明確にしたいとき
- 広告やLPの訴求を絞りたいとき
- 商品企画の対象像を明確にしたいとき
ペルソナの強み
ペルソナの強みは、顧客像を具体化できることです。
抽象的な「20代女性向け」よりも、具体的な人物像があるほうが、メッセージは作りやすくなります。
ペルソナの注意点
ただし、細かく作りすぎて現実離れすると弱くなります。
大切なのは、想像の人物を作ることではなく、実際の顧客理解を深めることです。
2. カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップは、顧客が認知から購入、利用までどんな接点をたどるかを整理するフレームワークです。
もっとやさしく言うと、
顧客がどこで何を感じながら進むかを地図のように見る型
です。
たとえば、
- どこで知るか
- 何を調べるか
- どこで迷うか
- 何が後押しになるか
- 購入後に何を感じるか
などを整理します。
カスタマージャーニーマップが向いている場面
- 顧客接点を整理したいとき
- Web導線や営業導線を改善したいとき
- 顧客体験の途中のつまずきを見たいとき
カスタマージャーニーマップの強み
強みは、顧客の流れを時系列で見られることです。
単なる顧客像ではなく、接点の前後関係まで見やすくなります。
カスタマージャーニーマップの注意点
接点を書き並べるだけで終わると弱いです。
大切なのは、どこで感情が動き、どこで離脱しそうかまで見ることです。
3. 4A
4Aは、Aware、Attitude、Act、Act Again で顧客行動を整理するフレームワークです。
もっとやさしく言うと、
知って、好意を持って、行動して、また行動してもらう流れを見る型
です。
4Aが向いている場面
- 顧客行動をシンプルに整理したいとき
- 認知から継続利用まで見たいとき
- リピートや再利用も含めて考えたいとき
4Aの強み
4Aの強みは、顧客行動をシンプルに全体で見やすいことです。
特に、初回購入だけでなく、その後まで見たいときに役立ちます。
4Aの注意点
検索や比較の細かな行動を見るには少し粗いことがあります。
その場合は、AISASなどのほうが向いています。
4. AIDMA
AIDMAは、Attention、Interest、Desire、Memory、Action で購買心理を整理するフレームワークです。
もっとやさしく言うと、
注意を引き、興味を持ち、欲しくなり、覚えて、行動する流れを見る型
です。
AIDMAが向いている場面
- 広告や販促の流れを考えたいとき
- 商品紹介文やセールストークを整理したいとき
- 購買前の心理変化を見たいとき
AIDMAの強み
強みは、購買前の心理の流れを丁寧に見られることです。
特に、欲求や記憶といった中間段階を意識しやすくなります。
AIDMAの注意点
ネット時代の検索や共有の動きまでは直接入っていません。
そのため、デジタル行動を見たいときはAISASのほうが自然です。
5. AISAS
AISASは、Attention、Interest、Search、Action、Share で行動を整理するフレームワークです。
もっとやさしく言うと、
知って、興味を持って、検索して、行動して、共有する流れを見る型
です。
AISASが向いている場面
- Webマーケティングを考えるとき
- SNSや検索の影響が大きい商材を扱うとき
- 口コミやレビューも含めて見たいとき
AISASの強み
AISASの強みは、現代のネット行動を入れて考えやすいことです。
検索と共有が入ることで、今の顧客行動にかなり近くなります。
AISASの注意点
シンプルで使いやすい一方、顧客体験の細かな感情までは見えにくいことがあります。
そういうときは、カスタマージャーニーマップと組み合わせると使いやすいです。
5つの違いをざっくり整理すると
ここまでの5つを、役割でざっくり整理すると次のようになります。
誰なのかを知りたい
- ペルソナ
どんな接点をたどるか見たい
- カスタマージャーニーマップ
認知から再利用までシンプルに見たい
- 4A
購買前の心理を見たい
- AIDMA
検索と共有を含めたデジタル行動を見たい
- AISAS
このように、同じ「顧客理解」でも、切り口が違います。
初心者ならどこから押さえるべきか
初心者なら、まずは次の順がおすすめです。
1. ペルソナ
誰に向けているのかを明確にするためです。
2. カスタマージャーニーマップ
顧客がどんな流れで接点を持つかを見やすくなるためです。
3. AIDMA または AISAS
購買や行動の流れを理解しやすくなるためです。
つまり、
- 誰か
- どんな流れか
- どう動くか
の順で押さえると理解しやすいです。
どう使い分ければよいか
迷ったら、次のように考えると使いやすいです。
顧客像を作りたい
- ペルソナ
顧客体験を見たい
- カスタマージャーニーマップ
継続利用まで含めて全体を見たい
- 4A
広告や販促の心理を見たい
- AIDMA
ネット時代の検索・共有行動を見たい
- AISAS
フレームワークを使うときの注意点
注意
顧客理解のフレームワークは便利ですが、作ること自体が目的になると意味がありません。
よくある失敗は、次のようなものです。
- ペルソナを細かく作って満足する
- ジャーニーマップをきれいに並べて終わる
- 行動モデルを覚えるだけで使わない
- 実際の顧客データや現場感覚と結びつけない
大切なのは、顧客理解を施策に変えることです。
まとめ
顧客理解で使うフレームワークには、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、4A、AIDMA、AISASなどがあります。
それぞれ役割が違うため、全部を同じものとして扱わないことが大切です。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは
- 誰なのか → ペルソナ
- どんな流れか → カスタマージャーニーマップ
- どう動くか → AIDMA または AISAS
の3つを押さえるだけでも十分です。
大切なのは、フレームワークを暗記することではなく、顧客をより具体的に理解して、売り方や提案に活かすことです。
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