商品やサービスの販売導線を見ていると、「人は集まっているのに申し込みが増えない」「途中でどこか大きく離脱している気がする」と感じることはないでしょうか。
集客がうまくいっていても、その先の導線で人が落ちていれば、売上や成約は伸びにくくなります。
そんなときに役立つのが、ファネル分析です。
ファネル分析は、顧客が
認知、興味、比較、申込、購入
などの段階を進む中で、どこでどれくらい減っているかを見るためのフレームワークです。
漏斗のように、上は広く下にいくほど狭くなる形で考えることから、この名前で呼ばれます。
そこでこの記事では、ファネル分析の意味、使い方、具体例、注意点までを、初心者向けにやさしく整理して解説します。
この記事でわかること
- ファネル分析とは何か
- ファネル分析は何に使うのか
- ファネル分析の基本構成
- ファネル分析の使い方
- ファネル分析の具体例
- AARRRとの違い
最初から細かい分析をする必要はありません。まずは「導線のどこで人が減っているかを見る型だ」とわかれば十分です。
ファネル分析とは?
ファネル分析とは、顧客が購入や申込に至るまでの各段階で、どこで離脱しているかを見える化するための分析手法です。
もっとやさしく言うと、ファネル分析は
人が集まってから買うまでの途中で、どこが詰まっているかを見つける型です。
たとえば、ある商品の販売導線で
- 広告は見られている
- 商品ページにも来ている
- でも申込が少ない
という状況があったとします。
このとき、広告が弱いのか、商品説明が弱いのか、申込フォームが面倒なのかは、段階ごとに見ないと分かりません。
ファネル分析は、その詰まりを見つけるためのフレームワークです。
ファネル分析を一言でいうと
ファネル分析を一言でいうと、導線の離脱ポイントを見つけるフレームワークです。
ファネル分析は、売れない理由を感覚ではなく段階ごとに見るための型です。
ファネル分析は何に使うのか
ファネル分析は、主に次のような場面で使います。
- WebサイトやLPの改善
- ECサイトの購入導線改善
- 資料請求や会員登録の改善
- 営業導線の歩留まり確認
- 広告から申込までの改善
- サービス申込率の向上
たとえば、オンライン講座の販売ページがある場合でも、
- 広告からページに来る人は多い
- ページを最後まで読まない
- 申込フォームで離脱する
など、どこで落ちているかによって打ち手は変わります。
ファネル分析を使うと、その違いを整理しやすくなります。
どんな人に向いているか
ファネル分析が向いているのは、次のような人です。
- Web集客や広告運用に関わる人
- ECや申込導線を改善したい人
- 営業やマーケティングの歩留まりを見たい人
- 離脱ポイントを特定したい人
ファネル分析の基本構成
ファネル分析には決まった1つの形があるわけではありませんが、一般的には次のような段階で考えます。
- 認知
- 興味
- 比較検討
- 申込
- 購入
商材によっては、
- 広告クリック
- サイト訪問
- 商品ページ閲覧
- カート投入
- 決済完了
のように、もっと具体的な導線で見ることもあります。
大事なのは、実際の顧客行動に沿って段階を切ることです。
ファネル分析の使い方
ここからは、ファネル分析の基本的な使い方を順番に見ていきます。
最初は難しく考えず、導線を段階に分けて人数を置くだけでも十分です。
手順1 ゴールを決める
まずは、何を最終成果とするかを決めます。
購入、申込、問い合わせ、会員登録などがゴールになります。
手順2 導線を段階に分ける
顧客がゴールまでに通る流れを、数段階に分けます。
できるだけ実際の行動に近い段階にすると使いやすいです。
手順3 各段階の人数や件数を集める
それぞれの段階で、どれくらいの人が進んでいるかを確認します。
手順4 どこで大きく減っているかを見る
前の段階から次の段階へ進むときに、特に大きく落ちている場所を探します。
手順5 改善施策を考える
最後に、落ち込みの大きい段階に対して、改善策を考えます。
- ゴールを決める
- 導線を段階に分ける
- 各段階の人数や件数を集める
- どこで大きく減っているかを見る
- 改善施策を考える
ファネル分析は、数字を並べることではなく、どの段階を改善すれば成果が伸びるかを見つけることが大切です。
ファネル分析の具体例
ここでは、「オンライン講座の申込ページ」を例に、考え方を簡単に見てみます。
例:オンライン講座の申込導線
前提として、あるオンライン講座を販売しているとします。
導線を次のように分けます。
- 広告を見た人数
10,000人 - 広告をクリックした人数
1,000人 - 商品ページを最後まで見た人数
400人 - 申込フォームに進んだ人数
120人 - 申込完了人数
60人
この場合、
- 広告表示からクリックまで
- 商品ページ閲覧からフォーム遷移まで
- フォーム遷移から申込完了まで
のどこで大きく減っているかを見ます。
たとえば、商品ページを最後まで見た400人のうち、フォームに進んだのが120人しかいないなら、商品説明や申込ボタン周辺に改善余地があるかもしれません。
また、フォームに進んだ120人のうち60人しか完了していないなら、入力項目の多さや使いにくさが原因かもしれません。
具体例でわかるポイント
- 離脱ポイントが見えやすい
- 改善すべき場所を絞りやすい
- 感覚ではなく数字で議論しやすい
ファネル分析を使うメリット
ファネル分析を使うメリットは、主に次の通りです。
- 離脱ポイントを見つけやすい
- 改善の優先順位をつけやすい
- 導線のどこが弱いかを共有しやすい
- マーケティングや営業の歩留まりを見やすい
たとえば、「売れないから広告を増やそう」と考える前に、ファネル分析をすると、問題は広告ではなくフォーム入力のしにくさにあるかもしれないと気づけることがあります。
ファネル分析を使うときの注意点
注意
ファネル分析は便利ですが、段階の切り方が雑だと役に立ちにくくなります。
よくある失敗は、次のようなものです。
- 段階が大ざっぱすぎる
- 逆に細かすぎて見えにくい
- 数字を見て終わる
- 離脱の理由を考えない
特に初心者は、「人数が減っている場所を見つければ終わり」と思いがちですが、そうではありません。大切なのは、なぜそこで減っているのかを考え、改善策につなげることです。
AARRRとの違い
ファネル分析とよく比較されるのが、AARRRです。
- ファネル分析 → 導線上のどこで離脱しているかを見る型
- AARRR → 集客、活性化、継続、紹介、収益まで含めた成長全体を見る型
つまり、ファネル分析は特定導線の歩留まり改善に向いており、AARRRはサービス成長全体の整理に向いています。
どう使い分ければよいか
サービス全体の成長を見たいならAARRRが使いやすいです。
一方で、広告から購入までの導線でどこが詰まっているかを詳しく見たいなら、ファネル分析のほうが向いています。
AISASとの違い
ファネル分析は、AISASとも役割が異なります。
- ファネル分析 → 導線ごとの離脱を見る型
- AISAS → 顧客行動の流れをモデル化する型
この違いを理解しておくと、実務で迷いにくくなります。
ファネル分析は、数字で詰まりを探すのに向いています。
一方、AISASは、顧客行動の流れを概念的に整理するのに向いています。
ファネル分析はどんな場面で使うと効果的か
特にファネル分析が効果を発揮しやすいのは、次のような場面です。
- LPや申込ページを改善したいとき
- ECの購入率を上げたいとき
- 営業導線の歩留まりを見たいとき
- 離脱ポイントを見つけたいとき
逆に、顧客の長期価値を見たいときにはLTV、既存顧客の状態を分けたいときにはRFM分析のほうが合います。
そのため、ファネル分析は万能ではなく、導線のどこで人が減っているかを見たい場面で使うのが最も効果的です。
まとめ
ファネル分析とは、顧客が認知から購入や申込に進む各段階で、どこで離脱しているかを見える化するフレームワークです。
Webマーケティング、EC、営業導線、サービス申込ページなど幅広い場面で使いやすく、特に「どこを直せば成果が伸びるか」を整理したいときの入口として役立ちます。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは
- どんな段階があるか
- 各段階で何人いるか
- どこで大きく減っているか
の3つを見るだけでも十分です。
大切なのは、数字を眺めることではなく、離脱ポイントを見つけて改善につなげることです。