仕事で何かを考えるとき、私たちは意外と多くの場面でつまずきます。
問題がうまく整理できない、論点が広がりすぎる、原因が浅い、発想が広がらない、説明が伝わりにくい。こうした悩みは、能力不足というより、考え方の型がないことから起きることも少なくありません。
そんなときに役立つのが、問題解決・思考整理のフレームワークです。
フレームワークというと少し難しく見えるかもしれませんが、要するに
考える順番や切り口を整えるための道具
です。
正解を自動で出してくれるものではありませんが、論点を見失いにくくなり、考えを共有しやすくなります。
そこでこの記事では、問題解決・思考整理で使う代表的なフレームワークを一覧で整理しながら、初心者向けに使い分けをやさしく解説します。
この記事でわかること
- 問題解決・思考整理で使う代表的なフレームワーク一覧
- それぞれの役割の違い
- 目的別の使い分け
- 初心者がどこから学ぶとよいか
- 個別記事への入り口
最初から全部覚える必要はありません。まずは「今の自分の悩みに合う型」を見つけるだけでも十分です。
問題解決・思考整理でフレームワークを使う意味
問題解決では、ただ一生懸命考えればよいわけではありません。
考える順番や切り口がずれていると、時間をかけても前に進みにくくなります。
たとえば、次のようなことはよくあります。
- 問題が大きすぎて、どこから手をつけるべきか分からない
- 原因を考えたつもりでも、表面的なところで止まる
- 情報はあるのに、結局何が言えるのかが弱い
- アイデアを出したいのに、いつもの案しか出ない
- たくさん意見は出たのに、整理できない
こうしたとき、フレームワークを使うと、
- まず何を整理するか
- どこを深掘りするか
- 何の順番で考えるか
- どう広げ、どう絞るか
を見失いにくくなります。
大切なのは、フレームワークを知っていることではなく、今の課題に合う型を選ぶことです。
問題解決・思考整理で使うフレームワーク一覧
このカテゴリでよく使う代表的なフレームワークは、次の通りです。
- MECE
- ロジックツリー
- Why-Why分析
- So What? / Why So?
- ピラミッドストラクチャー
- 仮説思考
- イシューツリー
- 空・雨・傘
- 6W2H
- 5W1H
- SCQ
- Zero-based thinking
- 二軸マトリクス
- ロジックモデル
- 因果ループ図
- KJ法
- マンダラート
- ブレーンストーミング
- 逆張り発想
- アナロジー思考
- オズボーンのチェックリスト
この中で、どれが一番優れているというわけではありません。
整理したいもの、深掘りしたいもの、広げたいものによって、向いている型が違うのがポイントです。
論点を漏れなく整理したいときに使うフレームワーク
まず、問題や情報をきちんと整理したいときに使いやすいフレームワークです。
MECE
モレなくダブりなく整理する基本原則です。
論点整理、分類、資料構成など、あらゆる整理の土台になります。
5W1H
誰が、何を、なぜ、いつ、どこで、どうやって、の基本項目で整理する型です。
説明や依頼、報告を具体化したいときに向いています。
6W2H
5W1Hに、誰に向けて、どれくらい、の視点を加えた型です。
企画や施策をより実務的に整理したいときに使いやすいです。
空・雨・傘
事実、解釈、打ち手を順番に整理する型です。
話が混ざりやすいとき、報告や会議で順番を整えたいときに向いています。
問題を分解したいときに使うフレームワーク
大きな問題をそのまま考えず、小さく分けて見たいときに使いやすいフレームワークです。
ロジックツリー
問題、原因、打ち手を枝分かれで分解する型です。
原因整理や施策洗い出しの基本になります。
イシューツリー
答えるべき問いを分解して整理する型です。
いきなり解く前に、「何を考えるべきか」を整理したいときに向いています。
ロジックモデル
Input、Activity、Output、Outcomeで、活動と成果のつながりを整理する型です。
施策や研修、プロジェクト設計に向いています。
因果ループ図
要素どうしの影響関係をループで整理する型です。
悪循環や好循環など、複雑なつながりを見たいときに向いています。
原因を深く掘りたいときに使うフレームワーク
表面的な原因ではなく、その奥を見たいときに使いやすいフレームワークです。
Why-Why分析
なぜを繰り返して、根本原因に近づく型です。
再発防止や業務改善に向いています。
So What? / Why So?
そこから何が言えるのか、なぜそう言えるのかを問う型です。
分析結果の示唆出しや、結論と根拠の強化に向いています。
仮説思考
先に見立てを置き、検証しながら考える型です。
情報収集を効率化し、考える方向を早く定めたいときに向いています。
説明や提案をわかりやすくしたいときに使うフレームワーク
考えた内容を、相手に伝わる形に整えたいときに使いやすいフレームワークです。
ピラミッドストラクチャー
結論を上に置き、その下に理由や根拠を並べる型です。
提案、報告、資料作成、プレゼンに向いています。
SCQ
Situation、Complication、Questionの流れで、問題提起を整理する型です。
話の入口や導入構成を整えたいときに使いやすいです。
比較や優先順位づけをしたいときに使うフレームワーク
複数の候補を比べたり、優先順位を決めたりしたいときに使いやすいフレームワークです。
二軸マトリクス
2つの軸で候補を4象限に整理する型です。
施策比較、案件比較、課題の優先順位づけに向いています。
前提を見直したいときに使うフレームワーク
いつもの考え方をいったん外して見直したいときに使いやすいフレームワークです。
Zero-based thinking
前提をいったん外して、ゼロから考え直す型です。
慣習や思い込みを見直したいときに向いています。
逆張り発想
あえて逆にしたらどうなるかを考える型です。
発想を揺さぶって、新しい切り口を見つけたいときに向いています。
発想を広げたいときに使うフレームワーク
アイデアが出にくいときや、切り口を増やしたいときに使いやすいフレームワークです。
ブレーンストーミング
評価を後回しにして、まずたくさん案を出す型です。
自由な発想を広げたいときに向いています。
マンダラート
中心テーマから周囲へ発想を広げる型です。
目標分解やアイデアの広がりづくりに向いています。
アナロジー思考
他分野にたとえて考える型です。
別業界や別分野の仕組みをヒントにしたいときに向いています。
オズボーンのチェックリスト
転用、応用、変更、拡大、縮小など、複数の切り口で発想を広げる型です。
何を切り口に考えるか迷うときに使いやすいです。
出た意見を整理したいときに使うフレームワーク
発想や意見を出したあと、それを整理して構造を見たいときに使いやすいフレームワークです。
KJ法
出た意見や情報をグループ化して整理・統合する型です。
会議、ワークショップ、自由記述整理などに向いています。
初心者ならどこから覚えるべきか
初心者が最初に押さえるなら、まずは次の5つがおすすめです。
- MECE
- ロジックツリー
- Why-Why分析
- 5W1H
- ブレーンストーミング
理由は、整理、分解、原因深掘り、基本情報整理、発想拡張という、問題解決の基本動作を広く押さえやすいからです。
そこから、
- 説明を強くしたいなら
ピラミッドストラクチャー、SCQ - 論点を整理したいなら
イシューツリー、So What? / Why So? - 発想をもっと広げたいなら
マンダラート、アナロジー思考、オズボーンのチェックリスト - 前提を見直したいなら
Zero-based thinking、逆張り発想
へ広げていくと理解しやすいです。
目的別に見るとどう使い分ければよいか
ざっくり整理すると、次のように考えると使いやすいです。
- 情報を漏れなく整理したい
MECE、5W1H、6W2H、空・雨・傘 - 問題を分解したい
ロジックツリー、イシューツリー、ロジックモデル、因果ループ図 - 原因を深く掘りたい
Why-Why分析、So What? / Why So?、仮説思考 - 説明や提案を整理したい
ピラミッドストラクチャー、SCQ - 比較や優先順位づけをしたい
二軸マトリクス - 前提を見直したい
Zero-based thinking、逆張り発想 - 発想を広げたい
ブレーンストーミング、マンダラート、アナロジー思考、オズボーンのチェックリスト - 出た意見をまとめたい
KJ法
フレームワークを使うときの注意点
注意
フレームワークは便利ですが、使うこと自体が目的になると意味がありません。
よくある失敗は、次のようなものです。
- とりあえず知っている型を当てる
- 図を作って満足する
- 整理しただけで終わる
- 今の課題に合わない型を使う
大切なのは、今の悩みが「整理不足」なのか、「深掘り不足」なのか、「発想不足」なのかを見極めることです。
まとめ
問題解決・思考整理で使うフレームワークには、情報を整理するもの、問題を分解するもの、原因を深掘りするもの、説明を整えるもの、発想を広げるものなど、さまざまな型があります。
最初は数が多く見えるかもしれませんが、全部を一度に覚える必要はありません。
まずは、
- 整理なら MECE
- 分解なら ロジックツリー
- 深掘りなら Why-Why分析
- 基本整理なら 5W1H
- 発想なら ブレーンストーミング
のように、目的ごとの入口を持つだけでも十分です。
大切なのは、フレームワークを暗記することではなく、考えを整理し、より良い判断や行動につなげることです。