会議やワークショップで意見をたくさん出したあとに、「結局どう整理すればいいのか分からない」「アイデアは多いのに、まとまりが見えない」と感じることはないでしょうか。
発想を広げるだけでは不十分で、そのあとに整理して意味あるまとまりにする工程が必要になることがあります。
そんなときに役立つのが、KJ法です。
KJ法は、
集めた意見やアイデアをグループ化し、関係を見ながら整理・統合していく
フレームワークです。
発想整理、課題整理、会議の意見整理、現場の声のまとめなどで使いやすい型です。
そこでこの記事では、KJ法の意味、使い方、具体例、注意点までを、初心者向けにやさしく整理して解説します。
この記事でわかること
- KJ法とは何か
- KJ法は何に使うのか
- KJ法の基本的な考え方
- KJ法の使い方
- KJ法の具体例
- ブレーンストーミングとの違い
最初からきれいな分類を作る必要はありません。まずは「たくさんの意見を、意味のあるまとまりに整理する型だ」とわかれば十分です。
KJ法とは?
KJ法とは、集めた意見や情報をカードのように並べ、
似ているものをまとめたり、関係を見たりしながら整理していく
考え方です。
もっとやさしく言うと、KJ法は
バラバラに出た意見を、まとまりごとに整理して全体像を見つける型
です。
たとえば、会議で課題を洗い出したときに、
- 情報共有が遅い
- 会議が長い
- 引き継ぎが曖昧
- マニュアルが分かりにくい
- 担当範囲が不明確
といった意見がたくさん出たとします。
このままだと一覧にすぎませんが、KJ法を使うと、
- 情報共有の課題
- 役割分担の課題
- 手順やルールの課題
のようにまとまりが見えやすくなります。
KJ法を一言でいうと
KJ法を一言でいうと、意見や情報をグループ化して整理するフレームワークです。
KJ法は、アイデアを増やすためではなく、散らかった情報から意味ある構造を見つけるための型です。
KJ法は何に使うのか
KJ法は、主に次のような場面で使います。
- 会議で出た意見の整理
- 課題の整理
- アイデアの整理
- ワークショップ結果の整理
- 顧客の声や現場の声の整理
- 論点の全体像把握
たとえば、アンケート自由記述やヒアリング結果は、そのままでは読みづらいことがあります。
KJ法を使うと、似た意見をまとめて、どんな傾向があるのかを見やすくできます。
どんな人に向いているか
KJ法が向いているのは、次のような人です。
- 意見整理が苦手な人
- 会議で出た声をまとめたい人
- 発想を整理して全体像を見たい人
- 現場の声から論点を見つけたい人
KJ法の基本的な考え方
KJ法では、基本的に次の流れで考えます。
- 意見や情報を1つずつ分けて書く
- 似ているものを集める
- グループに名前をつける
- グループどうしの関係を見る
ここで大切なのは、最初から厳密な分類ルールを作りすぎないことです。
むしろ、実際に並べながら「近いもの同士」を見つけていく感覚が重要です。
KJ法の使い方
ここからは、KJ法の基本的な使い方を順番に見ていきます。
最初は難しく考えず、「1つずつ書いて、似ているものを寄せる」ところから始めれば大丈夫です。
手順1 情報を1つずつ分けて書く
まずは、意見、アイデア、事実、課題などを1つずつ分けて書き出します。
1枚に1項目が基本です。
手順2 並べる
書いたものを一覧できるように並べます。
この時点では、まだ順番はあまり気にしなくて大丈夫です。
手順3 似ているものを集める
意味が近いもの、関係が深いものを近づけていきます。
ここでグループが自然に見えてきます。
手順4 グループに名前をつける
まとまりごとに、「このグループは何を表しているのか」を言葉にします。
手順5 全体の関係を見る
最後に、グループどうしのつながりや、全体としてどんな構造になっているかを見ます。
- 情報を1つずつ分けて書く
- 並べる
- 似ているものを集める
- グループに名前をつける
- 全体の関係を見る
KJ法は、きれいに分類することではなく、散らかった情報から意味のあるまとまりを見つけることが大切です。
KJ法の具体例
ここでは、「職場の改善アイデアを整理する」を例に、考え方を簡単に見てみます。
例:職場改善アイデアの整理
前提として、職場の困りごとについて意見を集めたとします。
出てきた意見が次のようだったとします。
- 会議が長い
- 会議の目的が不明確
- 情報共有が遅い
- 引き継ぎが口頭だけ
- マニュアルが見つけにくい
- 担当範囲が曖昧
- 質問先が分からない
このままだと、ただの一覧です。
ここでKJ法を使い、近いものをまとめると、
- 会議運営の課題
会議が長い
会議の目的が不明確 - 情報共有の課題
情報共有が遅い
引き継ぎが口頭だけ
マニュアルが見つけにくい - 役割分担の課題
担当範囲が曖昧
質問先が分からない
というように整理できるかもしれません。
こうすると、
「職場の困りごと」
が、いくつかの大きな論点に見えてきます。
別の例:新商品アイデアの整理
アイデア出しをしたあとに、
- 価格訴求型
- 利便性訴求型
- デザイン訴求型
- 継続利用型
といったまとまりを見つける使い方もできます。
具体例でわかるポイント
- 生の声を整理しやすい
- 全体像が見えやすい
- 論点や優先課題を見つけやすい
KJ法を使うメリット
KJ法を使うメリットは、主に次の通りです。
- 散らかった意見を整理しやすい
- 全体像をつかみやすい
- 新しいまとまりや論点に気づきやすい
- 会議やワークショップの成果を見える化しやすい
たとえば、自由記述やアイデア出しの結果は、そのままだと扱いにくいことがあります。
KJ法を使うと、意味のあるかたまりに変えやすくなります。
KJ法を使うときの注意点
注意
KJ法は便利ですが、最初から分類を決めすぎると良さが弱くなります。
よくある失敗は、次のようなものです。
- 先に答えを決めて分類する
- 1枚に複数の内容を書く
- グループ名が抽象的すぎる
- 整理して終わる
特に初心者は、「最初から正しい分類をしないといけない」と思いがちですが、そうではありません。大切なのは、並べながら関係性を見つけることです。
ブレーンストーミングとの違い
KJ法とよく比較されるのが、ブレーンストーミングです。
- KJ法 → 出た意見やアイデアを整理・統合する型
- ブレーンストーミング → とにかく多くの発想を出す型
つまり、KJ法は整理に向いており、ブレーンストーミングは発散に向いています。
どう使い分ければよいか
まずブレーンストーミングで意見を出し、そのあとKJ法で整理する流れが使いやすいです。
MECEとの違い
KJ法は、MECEとも役割が異なります。
- KJ法 → 意見や情報を自然にグループ化する型
- MECE → モレなくダブりなく整理する原則
この違いを理解しておくと、実務で迷いにくくなります。
KJ法は、まとまりを見つけるのに向いています。
一方、MECEは、きちんと整理するのに向いています。
KJ法はどんな場面で使うと効果的か
特にKJ法が効果を発揮しやすいのは、次のような場面です。
- 会議で意見が多く出たとき
- アンケート自由記述を整理したいとき
- 課題をまとめたいとき
- アイデアをグループ化したいとき
逆に、要因を階層的に分けたいときにはロジックツリー、比較と優先順位づけをしたいときには二軸マトリクスのほうが使いやすいことがあります。
そのため、KJ法は万能ではなく、多くの意見や情報を整理して全体像を見たい場面で使うのが最も効果的です。
まとめ
KJ法とは、集めた意見や情報をグループ化しながら整理し、意味のあるまとまりを見つけるフレームワークです。
会議、ワークショップ、アンケート分析、課題整理、アイデア整理など幅広い場面で使いやすく、特に「意見は多いのにまとまらない」ときの入口として役立ちます。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは
- 1つずつ分けて書く
- 似ているものを寄せる
- まとまりに名前をつける
の3つを意識するだけでも十分です。
大切なのは、きれいに分類することではなく、散らかった情報から意味のある構造を見つけることです。
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