業務改善や企画を考えるときに、「自分たちのやり方だけ見ていても、良いのか悪いのか判断しにくい」と感じることはないでしょうか。
今のやり方に慣れていると、どこに改善余地があるのか、自分たちでは見えにくくなることがあります。
そんなときに役立つのが、ベンチマーキングです。
ベンチマーキングは、他社や他部門、先進事例などと比較しながら、自社の改善余地や強みを見つけるためのフレームワークです。共有いただいた一覧でも、ベンチマーキングは「他社・他部門との比較」と整理されています。
そこでこの記事では、ベンチマーキングの意味、使い方、具体例、注意点までを、初心者向けにやさしく整理して解説します。
この記事でわかること
- ベンチマーキングとは何か
- ベンチマーキングは何に使うのか
- ベンチマーキングの基本的な考え方
- ベンチマーキングの進め方
- ベンチマーキングの具体例
- 競合分析との違い
最初から大がかりな調査をする必要はありません。まずは「他と比べることで自分たちの改善余地を見る型だ」とわかれば十分です。
ベンチマーキングとは?
ベンチマーキングとは、他社、他部門、業界の先進事例などを比較対象にして、自社のやり方や成果を見直すための考え方です。
もっとやさしく言うと、ベンチマーキングは
他の優れたやり方と比べながら、自分たちがもっと良くできる点を見つける型です。
仕事では、「今のやり方が普通」だと思い込んでしまうことがあります。
ですが、別の会社や別の部門では、もっと効率の良い方法や、もっと成果が出やすい仕組みを持っているかもしれません。
ベンチマーキングは、そうした外のやり方を参考にしながら、自分たちの改善のヒントを得るためのフレームワークです。
ベンチマーキングを一言でいうと
ベンチマーキングを一言でいうと、比較を通じて改善余地を見つけるフレームワークです。
ベンチマーキングは、単に真似をするためではなく、比較を通じて自分たちの課題を見つけるための型です。
ベンチマーキングは何に使うのか
ベンチマーキングは、主に次のような場面で使います。
- 業務改善のヒント探し
- 他社との比較による課題発見
- 他部門の優良事例の横展開
- KPIの妥当性確認
- 組織や制度の見直し
- サービス品質や運営方法の改善
たとえば、「社内教育の受講率が低い」と感じていても、それが本当に低いのかどうかは、比較対象がないと判断しづらいことがあります。
他社や他部門、別の施策と比べることで、「どこに差があるのか」「何が足りないのか」が見えやすくなります。
どんな人に向いているか
ベンチマーキングが向いているのは、次のような人です。
- 改善のヒントが欲しい人
- 自社だけでは視野が狭くなりがちな人
- KPIや運営の妥当性を確かめたい人
- 他部門の良いやり方を学びたい人
ベンチマーキングの基本的な考え方
ベンチマーキングでは、主に次のような考え方を持ちます。
- 自社だけを基準にしない
- 比較対象は他社だけでなく、他部門や異業種でもよい
- 結果だけでなく、やり方や仕組みを見る
- そのまま真似するのではなく、自社に合う形に変える
- 比較を通じて改善点を見つける
つまり、ベンチマーキングは「負けているか勝っているか」を知るためだけのものではありません。
どこを変えるともっと良くなりそうかを見つけるための型です。
ベンチマーキングの使い方
ここからは、ベンチマーキングの基本的な使い方を順番に見ていきます。
最初は難しく考えず、比較したいテーマを決めるところから始めれば大丈夫です。
手順1 比較テーマを決める
まずは、何について比較するのかを決めます。
受講率、商談化率、業務時間、問い合わせ対応、教材運営など、テーマを明確にします。
手順2 比較対象を決める
次に、何と比べるかを決めます。
他社、他部門、業界平均、先進事例などが対象になります。
手順3 差を確認する
比較対象と自社のあいだに、どんな差があるかを見ます。
ここでは、結果だけでなく、運用や仕組みの差も見ていきます。
手順4 差の理由を考える
なぜ差が出ているのかを考えます。
制度、役割分担、導線、ツール、文化、マネジメントなど、背景を整理します。
手順5 自社向けの改善案に変える
最後に、比較から学んだことをそのまま真似するのではなく、自社向けの改善案に変えます。
- 比較テーマを決める
- 比較対象を決める
- 差を確認する
- 差の理由を考える
- 自社向けの改善案に変える
ベンチマーキングは、優れた事例を眺めることではなく、自社に活かせる差を見つけることが大切です。
ベンチマーキングの具体例
ここでは、「社内教育の運営改善」を例に、考え方を簡単に見てみます。
例:社内教育の運営改善
前提として、自社の社内教育サービスの利用率を上げたいとします。
比較対象として、
- 他社の学習制度
- 自社内の利用率が高い別部門の運営方法
- 外部eラーニングサービスの導線設計
などを見るとします。
このとき、たとえば次のような差が見えるかもしれません。
- 他社は、管理職が学習を後押しする仕組みを持っている
- 他部門は、推奨講座が明確で迷いが少ない
- 外部サービスは、申込導線が短く、学習開始までが速い
このように整理すると、
- 管理職の巻き込み
- 推奨ルート設計
- 申込導線の簡素化
といった改善案が見えやすくなります。
具体例でわかるポイント
- 比較することで課題が具体化しやすい
- 結果だけでなく運営方法も学べる
- 他社だけでなく他部門比較も役立つ
ベンチマーキングを使うメリット
ベンチマーキングを使うメリットは、主に次の通りです。
- 自社だけでは見えない課題が見えやすい
- 改善のヒントを得やすい
- KPIの妥当性を見やすい
- 先進事例を自社に活かしやすい
たとえば、自社だけを見ていると「こんなものだ」と思っていたことが、比較すると大きな改善余地だったと気づくことがあります。ベンチマーキングは、その気づきを得るのに向いています。
ベンチマーキングを使うときの注意点
注意
ベンチマーキングは便利ですが、表面的に真似するだけだと、かえってうまくいかないことがあります。
よくある失敗は、次のようなものです。
- 結果だけを見て背景を見ない
- 有名企業の事例をそのまま持ち込む
- 自社の前提との違いを考えない
- 比較して終わり、改善に落とし込まない
特に初心者は、「成功事例をそのまま導入すればうまくいく」と感じがちですが、そうではありません。大切なのは、なぜそのやり方が機能しているのかを理解することです。
競合分析との違い
ベンチマーキングとよく比較されるのが、競合分析です。
- ベンチマーキング → 他社や他部門の優れたやり方と比較して学ぶ型
- 競合分析 → 競争相手の動きや特徴を把握する型
つまり、ベンチマーキングは改善のヒントを得るのに向いており、競合分析は市場でどう戦うかを考えるのに向いています。
どう使い分ければよいか
競争戦略を考えるなら競合分析が中心になります。
一方、業務改善や運営改善のヒントを得たいなら、ベンチマーキングのほうが使いやすいです。
ギャップ分析との違い
ベンチマーキングは、ギャップ分析とも役割が異なります。
- ベンチマーキング → 他との比較で改善余地を見る型
- ギャップ分析 → 現状と目標の差を見る型
この違いを理解しておくと、実務で迷いにくくなります。
ベンチマーキングは、外との比較に向いています。
一方、ギャップ分析は、自社の目標との差を見るのに向いています。
ベンチマーキングはどんな場面で使うと効果的か
特にベンチマーキングが効果を発揮しやすいのは、次のような場面です。
- 改善のヒントが欲しいとき
- KPIの妥当性を見たいとき
- 他社や他部門との差を確認したいとき
- 優良事例を自社に取り入れたいとき
逆に、外部環境や市場構造そのものを見たいときには、PEST分析やファイブフォース分析のほうが合います。
そのため、ベンチマーキングは万能ではなく、比較を通じて改善余地を見つけたい場面で使うのが最も効果的です。
まとめ
ベンチマーキングとは、他社や他部門、先進事例と比較しながら、自社の改善余地や強みを見つけるためのフレームワークです。
業務改善、教育施策、制度見直し、サービス改善など幅広い場面で使いやすく、特に「自分たちだけでは改善点が見えにくい」ときの入口として役立ちます。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは
- 何を比べるか
- 何と比べるか
- どんな差があるか
- その差をどう活かすか
の4つを意識するだけでも十分です。
大切なのは、真似をすることではなく、比較を通じて自社の改善に活かすことです。
まずは身近なテーマで1回試してみてください。受講率、申請フロー、会議運営、教材導線、問い合わせ対応など、小さなテーマでも十分です。
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ベンチマーキングだけでなく、その前後で使う型も一緒に知っておくと、実務でさらに使いやすくなります。