商品やサービスを売るときに、「競合と何が違うのかを説明しにくい」「自社が市場の中でどの位置にいるのか見えにくい」と感じることはないでしょうか。
良い商品でも、市場の中でどう見られているかが曖昧だと、差別化の方向もぶれやすくなります。
そんなときに役立つのが、CPMです。
ここでのCPMは、ポジショニングマップとして使う考え方です。
市場の中で自社や競合がどんな立ち位置にあるのかを、2つの軸で見える化するフレームワークです。
そこでこの記事では、CPMの意味、使い方、具体例、注意点までを、初心者向けにやさしく整理して解説します。
この記事でわかること
- CPMとは何か
- CPMは何に使うのか
- CPMの基本構成
- CPMの使い方
- CPMの具体例
- STP分析との違い
最初から精密な市場分析をする必要はありません。まずは「2つの軸で市場の立ち位置を見る型だ」とわかれば十分です。
CPMとは?
CPMとは、ここではポジショニングマップとして、市場の中で商品やサービスの位置関係を整理するフレームワークを指します。
もっとやさしく言うと、CPMは
自社と競合が、どんな違いで並んでいるのかを地図のように見える化する型です。
市場では、商品やサービスは単独で存在しているわけではありません。
顧客は、他の商品と比べながら、
- 高いか安いか
- 高品質か手軽か
- 専門的か親しみやすいか
- 高機能かシンプルか
といった軸で見ています。
CPMを使うと、その比較関係を2軸で整理しやすくなります。
CPMを一言でいうと
CPMを一言でいうと、市場の立ち位置を2軸で見える化するフレームワークです。
CPMは、自社の商品が“市場の中でどう見られているか”を整理するための型です。
CPMは何に使うのか
CPMは、主に次のような場面で使います。
- 競合との差別化を考えるとき
- 商品やサービスの立ち位置を整理したいとき
- 市場の空白を探したいとき
- 新商品の方向性を考えたいとき
- ブランドの見え方を確認したいとき
- 営業や販促の訴求軸を考えたいとき
たとえば、カフェ市場で新しい商品を出す場合でも、「価格が高いか安いか」「本格派か手軽さ重視か」といった軸で見ると、自社がどこにいて、どこに空きがあるかが見えやすくなります。
CPMは、そうした差別化の土台づくりに向いています。
どんな人に向いているか
CPMが向いているのは、次のような人です。
- 競合との違いを整理したい人
- 商品企画やブランド設計に関わる人
- 差別化の方向を見つけたい人
- 市場の空白を探したい人
CPMの基本構成
CPMは、基本的に次の2つで成り立っています。
- 比較軸を2つ決める
- 自社と競合をその上に配置する
とてもシンプルですが、この2つの質で使いやすさが大きく変わります。
比較軸
比較軸は、顧客が実際に比較しそうな観点を選ぶことが大切です。
たとえば、
- 価格 × 品質
- 高機能 × シンプル
- 専門性 × 親しみやすさ
- 高級感 × 手軽さ
などがあります。
配置
比較軸を決めたら、自社と競合をそのマップ上に置いていきます。
これにより、どこに競合が密集しているか、どこに空白があるかが見えやすくなります。
CPMの使い方
ここからは、CPMの基本的な使い方を順番に見ていきます。
最初は難しく考えず、競合と自社を並べて2軸で見てみるだけでも十分です。
手順1 比較対象を決める
まずは、自社と比べたい競合や商品群を決めます。
同じ市場で比較されやすい相手を選ぶのがポイントです。
手順2 軸を2つ決める
次に、顧客が比較しそうな重要な軸を2つ選びます。
ここで軸の選び方を間違えると、マップが役に立ちにくくなります。
手順3 自社と競合を配置する
選んだ2軸の上に、自社と競合を置いていきます。
厳密な数値でなくても、相対的な感覚で整理すれば十分なこともあります。
手順4 密集地帯と空白地帯を見る
どこに競合が集まっていて、どこにあまりいないかを見ます。
これが差別化のヒントになります。
手順5 打ち出し方や新商品案に落とし込む
最後に、今の立ち位置を活かすか、別の位置を狙うかを考えます。
- 比較対象を決める
- 軸を2つ決める
- 自社と競合を配置する
- 密集地帯と空白地帯を見る
- 打ち出し方や新商品案に落とし込む
CPMは、図を作ることではなく、市場の中でどこを狙うかを考えることが大切です。
CPMの具体例
ここでは、「ボトルコーヒー飲料」を例に、考え方を簡単に見てみます。
例:ボトルコーヒー飲料のCPM
前提として、新しいボトルコーヒーを販売するとします。
比較軸を、たとえば次の2つにするとします。
- 価格
- 本格感
このとき、市場にはたとえば次のような位置関係があるかもしれません。
- 低価格で手軽だが本格感は弱い商品
- 高価格で本格感が高い商品
- 中価格でバランス型の商品
- 高価格だがデザイン重視の商品
このマップを作ると、たとえば
「中価格でかなり本格感が高い領域」
に空きがあるかもしれません。
すると、新商品を
- 手に取りやすい価格
- それでいて専門店に近い味わい
という方向で考えるヒントが出てきます。
具体例でわかるポイント
- 競合との違いを見やすい
- 市場の空白を探しやすい
- 新商品の方向性を考えやすい
CPMを使うメリット
CPMを使うメリットは、主に次の通りです。
- 自社と競合の位置関係を見やすい
- 差別化ポイントを考えやすい
- 市場の空白を探しやすい
- 訴求軸を整理しやすい
たとえば、「なんとなく似ている」と感じていた競合でも、マップに置いてみると、どこが近く、どこが違うのかが見えやすくなります。
CPMを使うときの注意点
注意
CPMは便利ですが、軸の選び方がずれると、あまり役に立たない図になりやすいです。
よくある失敗は、次のようなものです。
- 顧客が気にしない軸を選ぶ
- 軸が似すぎている
- 自社に都合のよい配置にしてしまう
- マップを作って終わる
特に初心者は、「見た目がわかりやすい図」にしようとしがちですが、そうではありません。大切なのは、顧客が本当に比較する軸を選ぶことです。
STP分析との違い
CPMとよく比較されるのが、STP分析です。
- CPM → 市場の中での立ち位置を2軸で見る型
- STP分析 → 市場を分け、狙う相手と立ち位置を整理する型
つまり、CPMは見え方の位置関係に向いており、STP分析はどこを狙うかの戦略整理に向いています。
どう使い分ければよいか
まずSTP分析で狙う市場や顧客を整理し、そのあとCPMで「その市場の中でどう見られるか」を確認する流れはとても使いやすいです。
STPで狙いを決め、CPMで立ち位置を見える化する、と考えるとわかりやすいです。
USPとの違い
CPMは、USPとも役割が異なります。
- CPM → 市場の中での位置関係を見る型
- USP → 独自の売りを明確にする型
この違いを理解しておくと、実務で迷いにくくなります。
CPMは、市場全体の中でどこに立つかを見るのに向いています。
一方、USPは、何を強く打ち出すかを見るのに向いています。
CPMはどんな場面で使うと効果的か
特にCPMが効果を発揮しやすいのは、次のような場面です。
- 競合との違いを整理したいとき
- 新商品のポジションを考えたいとき
- 差別化の余地を見たいとき
- ブランドの見え方を確認したいとき
逆に、顧客の購買行動の流れを見たいときにはAISASやカスタマージャーニーマップのほうが合います。
そのため、CPMは万能ではなく、市場の中での立ち位置を見える化したい場面で使うのが最も効果的です。
まとめ
CPMとは、2つの比較軸を使って、自社や競合の市場での立ち位置を見える化するフレームワークです。
商品企画、ブランド設計、差別化検討、新商品立ち上げなど幅広い場面で使いやすく、特に「競合とどう違うのか」を整理したいときの入口として役立ちます。
最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは
- 顧客が何で比べるか
- 競合はどこにいるか
- 自社はどこにいるか
- どこに空きがあるか
の4つを考えるだけでも十分です。
大切なのは、図を作ることではなく、その図から差別化の方向を見つけることです。