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ERRCグリッドとは?初心者向けに意味・使い方・具体例をやさしく解説

事業やサービスを見直すときに、「何か新しいことをしたいけれど、何を足せばいいのかわからない」「今ある要素を全部残したままでは、差別化しにくい」と感じることはないでしょうか。
改善や差別化というと、つい“何かを足す”方向ばかりに考えがちです。ですが、実際には、減らす、やめる、そして新しく作る、という整理がとても重要です。

そんなときに役立つのが、ERRCグリッドです。

ERRCグリッドは、Eliminate、Reduce、Raise、Create の4つの視点で価値の見直しを行うフレームワークです。共有いただいた一覧でも、ERRCグリッドはこの4要素で整理されています。

そこでこの記事では、ERRCグリッドの意味、使い方、具体例、注意点までを、初心者向けにやさしく整理して解説します。

目次

この記事でわかること

  • ERRCグリッドとは何か
  • ERRCグリッドは何に使うのか
  • ERRCグリッドの基本構成
  • ERRCグリッドの進め方
  • ERRCグリッドの具体例
  • ブルーオーシャン戦略との違い

最初から大きな変革案を作る必要はありません。まずは「やめる、減らす、高める、作るの4つで見直す型だ」とわかれば十分です。

ERRCグリッドとは?

ERRCグリッドとは、価値提案やサービス内容を見直すときに、次の4つの視点で整理するフレームワークです。

  • Eliminate(取り除く)
  • Reduce(減らす)
  • Raise(高める)
  • Create(新しく作る)

もっとやさしく言うと、ERRCグリッドは
今あるものをそのまま前提にせず、何をやめ、何を減らし、何を伸ばし、何を新しく加えるかを考える型です。

差別化や改善を考えるとき、つい「何を追加するか」に目が行きやすくなります。ですが、追加ばかりすると、コストも複雑さも増えやすくなります。
ERRCグリッドを使うと、「不要なものを捨てる」「過剰なものを減らす」という視点も一緒に持てるため、より実務的な価値設計がしやすくなります。

ERRCグリッドを一言でいうと

ERRCグリッドを一言でいうと、価値を4つの動きで見直すフレームワークです。

ERRCグリッドは、足し算だけでなく引き算も含めて、価値を再設計するための型です。

ERRCグリッドは何に使うのか

ERRCグリッドは、主に次のような場面で使います。

  • サービスや商品の差別化
  • 既存事業の見直し
  • 新規事業の価値設計
  • ブルーオーシャン戦略の具体化
  • 企画の再整理
  • 顧客価値の見直し

たとえば、社内教育サービスを改善したいときに、「講座を増やす」だけでは競争力が高まらないことがあります。むしろ、不要な講座を減らし、実務直結性を高め、短時間設計を新しく加えるほうが、価値がはっきりするかもしれません。

ERRCグリッドは、そうした価値の組み替えに向いています。

どんな人に向いているか

ERRCグリッドが向いているのは、次のような人です。

  • 差別化の方向を考えたい人
  • 既存サービスを見直したい人
  • 新しい価値を設計したい人
  • 足し算だけで考えがちな人

ERRCグリッドの基本構成

ERRCグリッドは、次の4つの要素で成り立っています。

  • Eliminate(取り除く)
  • Reduce(減らす)
  • Raise(高める)
  • Create(新しく作る)

それぞれの意味を簡単に見ていきます。

Eliminate(取り除く)

Eliminateは、業界や自社で当たり前になっているが、実は不要な要素をやめる視点です。
惰性で続いているもの、顧客価値に直結しないものを外す発想です。

Reduce(減らす)

Reduceは、必要性はあるが、やりすぎている要素を減らす視点です。
コストや複雑さを減らしつつ、価値の核を残すときに使います。

Raise(高める)

Raiseは、顧客にとって重要な要素を、今よりもっと強くする視点です。
差別化の核になりやすいポイントを強めるときに使います。

Create(新しく作る)

Createは、今までなかった新しい価値や仕組みを加える視点です。
顧客がまだ比較していない価値を作る発想につながります。

ERRCグリッドの使い方

ここからは、ERRCグリッドの基本的な使い方を順番に見ていきます。
最初は難しく考えず、「今のサービスで当たり前になっていること」を洗い出すところから始めれば大丈夫です。

手順1 現在の価値要素を書き出す

まずは、今のサービスや事業で提供している価値要素を並べます。
価格、機能、講座数、納期、サポート、ブランドなど、競争軸になっているものを書き出します。

手順2 Eliminateを考える

その中で、思い切って取り除けるものはないかを考えます。
なくしても本質価値が下がらないものが対象です。

手順3 Reduceを考える

次に、やりすぎているもの、過剰なものを減らせないかを考えます。

手順4 Raiseを考える

顧客にとって重要なのに、今は十分ではない要素を高められないかを考えます。

手順5 Createを考える

最後に、今までなかった新しい価値を作れないかを考えます。

  1. 現在の価値要素を書き出す
  2. Eliminateを考える
  3. Reduceを考える
  4. Raiseを考える
  5. Createを考える

ERRCグリッドは、4つを均等に埋めることよりも、価値の再設計に意味のある見直しをすることが大切です。

ERRCグリッドの具体例

ここでは、「社内向け教育サービス」を例に、考え方を簡単に見てみます。

例:社内向け教育サービスの見直し

前提として、社内教育サービスがあるものの、講座数は多いのに利用が伸びないとします。

そのとき、ERRCグリッドで考えると、たとえば次のようになります。

  • Eliminate(取り除く)
    利用されないまま残っている古い講座
    形だけの長い案内資料
  • Reduce(減らす)
    講座数の多さ
    1本あたりの動画時間
    申込手続きの手間
  • Raise(高める)
    実務直結性
    上司との接続
    学習後の活用支援
  • Create(新しく作る)
    部門別の推奨学習ルート
    短時間で学べるマイクロラーニング
    社内事例ベースの演習コンテンツ

このように整理すると、「ただ講座を増やす」のではなく、価値の出し方そのものを見直しやすくなります。

具体例でわかるポイント

  • 足し算だけでなく引き算もできる
  • 価値のメリハリを作りやすい
  • 差別化の方向が見えやすい

ERRCグリッドを使うメリット

ERRCグリッドを使うメリットは、主に次の通りです。

  • 改善の方向を整理しやすい
  • 不要なものを減らしやすい
  • 差別化ポイントを明確にしやすい
  • 新しい価値の発想につなげやすい

たとえば、改善案を考えるときに「追加アイデア」ばかり出ると、サービスは重くなりがちです。ERRCグリッドを使うと、「削る」「減らす」も同時に考えられるため、価値がシャープになりやすいです。

ERRCグリッドを使うときの注意点

注意
ERRCグリッドは便利ですが、新しいものを作ることばかりに意識が向くと弱くなります。

よくある失敗は、次のようなものです。

  • EliminateとReduceをほとんど考えない
  • 顧客価値ではなく社内都合で判断する
  • 4項目を埋めることが目的になる
  • 実行可能性を見ない

特に初心者は、「Createが一番大事そうだ」と感じがちですが、そうではありません。大切なのは、何を削り、何を高めると価値がはっきりするかです。

ブルーオーシャン戦略との違い

ERRCグリッドとよく比較されるのが、ブルーオーシャン戦略です。

  • ERRCグリッド → 何を取り除き、減らし、高め、作るかを具体化する型
  • ブルーオーシャン戦略 → 競争しにくい新しい価値空間をつくる戦略の考え方

つまり、ERRCグリッドは具体的な見直しの道具に向いており、ブルーオーシャン戦略は考え方の土台に向いています。

どう使い分ければよいか

まずブルーオーシャン戦略で「競争の土俵をずらす」という方向を考え、そのあとERRCグリッドで「何を削り、何を高め、何を作るか」を具体化する流れはとても使いやすいです。
ブルーオーシャン戦略が考え方、ERRCグリッドが実務の道具、と考えるとわかりやすいです。

ビジネスモデルキャンバスとの違い

ERRCグリッドは、ビジネスモデルキャンバスとも役割が異なります。

  • ERRCグリッド → 価値要素の見直しに向いている型
  • ビジネスモデルキャンバス → 事業全体の構造を整理する型

この違いを理解しておくと、実務で迷いにくくなります。

ERRCグリッドは、価値提案を磨くのに向いています。
一方、ビジネスモデルキャンバスは、事業全体を設計するのに向いています。

ERRCグリッドはどんな場面で使うと効果的か

特にERRCグリッドが効果を発揮しやすいのは、次のような場面です。

  • サービスや商品の差別化を考えたいとき
  • 既存事業を見直したいとき
  • 新しい価値提案を作りたいとき
  • 改善の方向を整理したいとき

逆に、業界構造を整理したいときにはファイブフォース分析、事業全体の構造を整理したいときにはビジネスモデルキャンバスのほうが合います。

そのため、ERRCグリッドは万能ではなく、価値要素の見直しを具体的に進めたい場面で使うのが最も効果的です。

まとめ

ERRCグリッドとは、Eliminate、Reduce、Raise、Createの4つの視点で、価値提案やサービス内容を見直すためのフレームワークです。

差別化、新規事業、既存サービス改善、教育サービス見直しなど幅広い場面で使いやすく、特に「何を削り、何を高め、何を新しく作るか」を整理したいときの入口として役立ちます。

最初は難しく見えるかもしれませんが、まずは

  • 取り除く
  • 減らす
  • 高める
  • 新しく作る

の4つに分けて考えるだけでも十分です。

大切なのは、項目を埋めることではなく、価値のメリハリを作って、選ばれる理由をはっきりさせることです。

まずは身近なテーマで1回試してみてください。教育サービス、社内制度、既存講座、研究テーマの見せ方など、小さなテーマでも十分です。

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ERRCグリッドだけでなく、その前後で使う型も一緒に知っておくと、実務でさらに使いやすくなります。

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