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Eisenhower Matrixとは?初心者向けに意味・使い方・具体例をやさしく解説

仕事をしていると、「やることが多すぎて、何から手をつければよいかわからない」と感じる場面があります。メール対応、会議資料の作成、上司からの依頼、顧客対応、将来に向けた企画検討など、すべてが大切に見えてしまうこともあります。

しかし、目の前の仕事を順番に処理しているだけでは、本当に重要な仕事が後回しになることがあります。特に、緊急の連絡や突発対応ばかりに追われると、改善活動、人材育成、戦略検討、新規企画など、将来の成果につながる仕事に時間を使えなくなります。

そこで役立つのが、Eisenhower Matrixです。Eisenhower Matrixは、仕事を「緊急度」と「重要度」の2軸で整理し、今すぐやるべきこと、計画的に取り組むこと、人に任せること、やめることを判断するためのフレームワークです。

初心者でも使いやすく、個人のタスク管理だけでなく、チームの業務整理、管理職の時間配分、プロジェクトの優先順位付けにも活用できます。

目次

この記事でわかること

・Eisenhower Matrixとは何か
・Eisenhower Matrixは何に使うのか
・Eisenhower Matrixの基本的な考え方
・Eisenhower Matrixの使い方
・Eisenhower Matrixの具体例
・関連フレームワークとの違い

最初から完璧に使いこなす必要はありません。まずは「Eisenhower Matrixは仕事を緊急度と重要度で分けるための型だ」とつかめれば十分です。

Eisenhower Matrixとは?

Eisenhower Matrixとは、仕事やタスクを「緊急度」と「重要度」の2つの観点で分類し、優先順位を決めるためのフレームワークです。

一般的には、次の4つの領域に分けて考えます。

・緊急かつ重要なこと
・緊急ではないが重要なこと
・緊急だが重要ではないこと
・緊急でも重要でもないこと

「緊急」とは、期限が近い、すぐに対応しなければ問題が起きる、相手から急かされているといった性質です。一方で「重要」とは、成果、目標、成長、信頼、事業価値などに大きく関係することです。

初心者がつまずきやすいのは、「緊急なこと」と「重要なこと」を混同してしまう点です。緊急な仕事は目立ちます。通知が来る、電話が鳴る、締切が迫るなど、外から圧力がかかります。しかし、重要な仕事は必ずしも目立ちません。たとえば、業務改善、スキル習得、仕組み化、顧客理解、部下育成などは、すぐにやらなくても今日困らないかもしれません。しかし、長期的には大きな差になります。

一言でいうと、Eisenhower Matrixは、目の前の忙しさに流されず、本当に取り組むべき仕事を見極めるためのフレームワークです。

Eisenhower Matrixは何に使うのか

Eisenhower Matrixは、仕事の優先順位を整理し、限られた時間をどこに使うべきか判断するために使います。

主な用途は次のとおりです。

・日々のタスク管理を整理する
・忙しいときに、何から着手するか決める
・重要だが後回しになっている仕事を見つける
・不要な仕事や価値の低い作業を減らす
・人に任せるべき仕事を判断する
・チーム内の業務分担を見直す
・管理職やリーダーの時間配分を改善する
・中長期的に成果につながる活動を増やす

特に効果的なのは、「毎日忙しいのに、成果につながっている感じがしない」と感じるときです。その場合、緊急な仕事ばかりに時間を使い、重要な仕事が後回しになっている可能性があります。

どんな人に向いているか

Eisenhower Matrixは、次のような人に向いています。

・やることが多く、優先順位を決めるのが苦手な人
・突発対応に追われて、重要な仕事が進まない人
・タスク管理を始めたい初心者
・会議、メール、依頼対応に時間を取られがちな人
・管理職やチームリーダーとして時間の使い方を見直したい人
・部下やメンバーに仕事を任せる判断をしたい人
・業務改善やDXなど、緊急ではないが重要な仕事を進めたい人
・個人の生産性を高めたいビジネスパーソン

新入社員から管理職まで幅広く使えますが、特に「自分で仕事の優先順位を決める必要がある人」に役立ちます。

Eisenhower Matrixの基本的な考え方

Eisenhower Matrixの基本は、仕事を2つの軸で考えることです。

1つ目の軸は「緊急度」です。これは、すぐに対応する必要があるかどうかを示します。期限が近い、トラブルが起きている、顧客から連絡が来ている、上司から急ぎで依頼されたといった仕事は、緊急度が高いと考えます。

2つ目の軸は「重要度」です。これは、仕事の成果や目的にどれだけ関係するかを示します。売上、品質、顧客満足、組織成長、リスク低減、将来の競争力などに大きく関わる仕事は、重要度が高いと考えます。

この2軸を組み合わせると、仕事は4つに分けられます。

緊急かつ重要な仕事

すぐに対応しなければならず、成果やリスクにも大きく関わる仕事です。たとえば、顧客クレーム、重大トラブル、締切直前の重要資料、システム障害などが該当します。

この領域の仕事は、基本的にすぐ対応します。ただし、ここに仕事が多すぎる場合は、日頃の準備不足や仕組み不足が原因になっていることもあります。

緊急ではないが重要な仕事

すぐに対応しなくても大きな問題にはならないものの、将来の成果に大きく関係する仕事です。たとえば、業務改善、教育、戦略検討、顧客分析、仕組み化、健康管理、スキルアップなどが該当します。

Eisenhower Matrixで最も大切なのは、この領域の仕事です。ここに時間を使えるかどうかで、長期的な成果が大きく変わります。

緊急だが重要ではない仕事

すぐ対応する必要はあるものの、自分がやらなくてもよい仕事や、成果への影響が小さい仕事です。たとえば、重要度の低い会議、形式的な確認、他人でも対応できる依頼、頻繁な割り込み対応などが該当します。

この領域の仕事は、自動化、委任、ルール化、対応時間の制限などを考えます。

緊急でも重要でもない仕事

すぐに対応する必要もなく、成果への影響も小さい仕事です。たとえば、目的のない情報収集、不要な会議、習慣的に続けているだけの資料作成、意味の薄い報告作業などが該当します。

この領域の仕事は、できるだけ削減します。完全になくせない場合でも、時間をかけすぎないことが大切です。

Eisenhower Matrixの使い方

手順1 タスクをすべて書き出す

まず、今抱えている仕事をすべて書き出します。頭の中だけで考えると、緊急な仕事ばかりが目立ってしまい、全体像を見失いやすくなります。

書き出すときは、大小を気にしすぎる必要はありません。会議資料作成、メール返信、顧客対応、企画書作成、部下との面談、データ分析、研修準備、業務マニュアル整備など、思いつくものを出します。

この段階では、優先順位を決めようとしなくて大丈夫です。まずは見える化することが重要です。

手順2 それぞれの緊急度を判断する

次に、それぞれのタスクがどれくらい緊急かを考えます。

判断の目安は次のとおりです。

・今日中に対応しないと問題が起きるか
・期限が近いか
・顧客や上司など、相手が待っているか
・放置するとトラブルになるか
・他の人の作業を止めてしまうか

緊急度を判断するときは、「急かされているから緊急」とだけ考えないことが大切です。相手の声が大きいだけで、本当に緊急ではない仕事もあります。逆に、期限が明確でなくても、早めに手を打つべき仕事もあります。

手順3 それぞれの重要度を判断する

次に、各タスクがどれくらい重要かを判断します。

判断の目安は次のとおりです。

・目標達成に直結するか
・売上、利益、品質、顧客満足に影響するか
・リスク低減につながるか
・将来の成果や成長につながるか
・自分やチームの役割に合っているか
・やらない場合の影響が大きいか

重要度は、単に「大変そう」「時間がかかりそう」という意味ではありません。時間がかかる仕事でも、成果に結びつかないなら重要度は低いかもしれません。短時間で終わる仕事でも、顧客信頼やリスク対応に関わるなら重要度は高い場合があります。

手順4 4つの領域に分類する

緊急度と重要度を判断したら、タスクを4つの領域に分けます。

・緊急かつ重要な仕事は、すぐ対応する
・緊急ではないが重要な仕事は、予定に入れて計画的に進める
・緊急だが重要ではない仕事は、任せる、減らす、仕組み化する
・緊急でも重要でもない仕事は、やめる、後回しにする、時間を制限する

ここで重要なのは、「緊急ではないが重要な仕事」を予定表に入れることです。この領域は、放っておくといつまでも後回しになります。予定として確保しない限り、緊急な仕事に押し出されます。

手順5 行動を決める

最後に、分類した結果をもとに具体的な行動を決めます。

たとえば、緊急かつ重要な仕事は今日中に対応する。緊急ではないが重要な仕事は、今週の予定に時間を確保する。緊急だが重要ではない仕事は、メンバーに依頼する、テンプレート化する、対応ルールを決める。緊急でも重要でもない仕事は、やめるか、時間を最小限にします。

分類して終わりではなく、「では、どうするか」まで決めることが大切です。

Eisenhower Matrixの具体例

例 管理職が業務に追われている場合

ある管理職は、毎日メール対応、会議、部下からの相談、上司への報告、突発トラブル対応に追われています。忙しく働いているにもかかわらず、チームの業務改善やメンバー育成が進んでいません。

この状況をEisenhower Matrixで整理すると、次のようになります。

緊急かつ重要な仕事には、顧客トラブルへの対応、締切直前の経営報告、重大な品質問題への判断が入ります。これらはすぐに対応する必要があります。

緊急ではないが重要な仕事には、部下育成、業務プロセス改善、次年度の戦略検討、チーム内の役割整理が入ります。これらは短期的には後回しにしやすいですが、長期的にはチームの成果に大きく影響します。

緊急だが重要ではない仕事には、形式的な確認依頼、管理職でなくても判断できる軽微な相談、毎回出席しているが発言機会の少ない会議などが入ります。

緊急でも重要でもない仕事には、目的が曖昧な資料の作り込み、惰性で続いている定例報告、必要以上の情報収集などが入ります。

このように整理すると、管理職が本当に時間を使うべきなのは、緊急ではないが重要な仕事だと見えてきます。そこで、毎週2時間は業務改善に使う、部下との1on1を定例化する、軽微な判断はメンバーに任せる、出席する会議を見直すといった行動につなげられます。

別の例 DX推進担当が社内対応に追われている場合

DX推進担当者が、社内からの問い合わせ対応、ツールの使い方説明、データ集計依頼、会議参加に追われているとします。一方で、本来進めるべき業務標準化やデータ活用基盤の整備が進んでいません。

Eisenhower Matrixで整理すると、緊急かつ重要な仕事は、システム障害対応や重要プロジェクトの締切対応です。緊急ではないが重要な仕事は、データ基盤の整備、業務フローの見直し、部門横断のルール作り、教育コンテンツの作成です。

緊急だが重要ではない仕事には、個別の操作問い合わせ、単発のデータ抽出依頼、毎回同じような説明対応が入ります。これらは、FAQ化、マニュアル化、研修動画化、問い合わせ窓口の整理によって減らせる可能性があります。

緊急でも重要でもない仕事には、目的が曖昧な会議参加や、利用されない資料の作成が入ります。

この例では、DX推進担当が個別対応に追われ続けると、組織全体の変革が進みません。Eisenhower Matrixを使うことで、問い合わせ対応を仕組み化し、重要な基盤整備に時間を移す必要があるとわかります。

具体例でわかるポイント

具体例からわかるポイントは次のとおりです。

・忙しさと重要さは同じではない
・緊急な仕事ばかり対応していると、将来の成果につながる仕事が進まない
・重要な仕事は、予定に入れないと後回しになりやすい
・緊急だが重要ではない仕事は、委任や仕組み化の対象になる
・やめる仕事を決めることも、優先順位付けの一部である
・管理職やリーダーほど、緊急ではないが重要な仕事に時間を使う必要がある

Eisenhower Matrixを使うメリット

Eisenhower Matrixを使うメリットは、仕事の優先順位を感覚ではなく、整理して判断できるようになることです。

主なメリットは次のとおりです。

・何から手をつけるべきか明確になる
・重要な仕事を後回しにしにくくなる
・緊急対応に振り回されにくくなる
・不要な仕事を減らしやすくなる
・人に任せる仕事を判断しやすくなる
・時間の使い方を見直せる
・チームの業務改善につなげやすい
・管理職の役割を整理しやすい

特に大きなメリットは、「やること」だけでなく「やらないこと」も考えられる点です。仕事が多いときほど、すべてを頑張るのではなく、重要なことに集中する必要があります。

Eisenhower Matrixを使うときの注意点

Eisenhower Matrixは便利なフレームワークですが、使い方を間違えると効果が弱くなります。

よくある失敗例は次のとおりです。

・緊急な仕事をすべて重要だと思ってしまう
・重要度を自分の好みだけで判断してしまう
・分類するだけで、実際の行動に移さない
・緊急ではないが重要な仕事を予定に入れない
・人に任せるべき仕事まで自分で抱え込む
・重要ではない仕事を削減せず、結局すべてやろうとする
・上司やチームと優先順位の認識を合わせない

特に注意したいのは、重要度の判断です。自分にとって重要に見える仕事でも、組織の目標や顧客価値に結びついていなければ、優先順位は下がるかもしれません。逆に、面倒で避けたい仕事でも、成果に直結するなら重要度は高い場合があります。

また、チームで使う場合は、上司や関係者と認識を合わせることも大切です。自分では重要ではないと思っていても、組織上は重要な仕事もあります。

関連フレームワークとの違い

Eisenhower Matrixと関連するフレームワークには、意思決定マトリクス、ICE、RICE、ABC分析、費用対効果分析などがあります。

意思決定マトリクスとの違い

意思決定マトリクスは、複数の選択肢を複数の評価基準で比較するためのフレームワークです。たとえば、新しいツールを選ぶ、施策案を比較する、外注先を選ぶといった場面で使います。

一方、Eisenhower Matrixは、主にタスクや仕事の優先順位を整理するために使います。複数案の比較よりも、日々の仕事を「今やる、予定する、任せる、やめる」に分けることに向いています。

ICEとの違い

ICEは、Impact、Confidence、Easeの3つで施策の優先順位を決めるフレームワークです。特にマーケティング施策、プロダクト改善、グロース施策などで使われます。

Eisenhower Matrixは、施策の効果や実行しやすさよりも、緊急度と重要度に注目します。日常業務や時間管理にはEisenhower Matrix、施策案の優先順位付けにはICEが向いています。

RICEとの違い

RICEは、Reach、Impact、Confidence、Effortの4つで施策を評価するフレームワークです。影響範囲や工数まで含めて比較できるため、プロダクト開発やサービス改善でよく使われます。

Eisenhower Matrixは、そこまで細かい数値評価を行わず、直感的に仕事を分類する点が特徴です。簡単に整理したいときはEisenhower Matrix、より定量的に施策を比較したいときはRICEが向いています。

ABC分析との違い

ABC分析は、重要度や金額、売上構成比などに応じて対象をA、B、Cに分類するフレームワークです。在庫管理、顧客管理、商品管理などでよく使われます。

Eisenhower Matrixは、金額や構成比ではなく、緊急度と重要度で仕事を分類します。売上や数量などのデータをもとに重点対象を選ぶならABC分析、日々の仕事の優先順位を決めるならEisenhower Matrixが使いやすいです。

費用対効果分析との違い

費用対効果分析は、かかるコストに対して得られる効果を比較するためのフレームワークです。投資判断、改善施策、システム導入などで使います。

Eisenhower Matrixは、コストと効果を厳密に計算するよりも、仕事の緊急性と重要性を整理するためのものです。投資判断には費用対効果分析、日々のタスク整理にはEisenhower Matrixが向いています。

Eisenhower Matrixはどんな場面で使うと効果的か

Eisenhower Matrixは、次のような場面で使うと効果的です。

・週次のタスク整理をするとき
・仕事が多すぎて優先順位がわからないとき
・重要な仕事が後回しになっていると感じるとき
・管理職が自分の時間配分を見直すとき
・チームの業務分担を整理するとき
・会議や報告業務を減らしたいとき
・業務改善やDX活動の時間を確保したいとき
・部下に仕事を任せる判断をしたいとき
・年度計画や個人目標を実行に落とし込むとき

特におすすめなのは、週の初めに使うことです。月曜日の朝や週次ミーティングで、今週の仕事を4つの領域に分けると、重要な仕事に時間を確保しやすくなります。

まとめ

Eisenhower Matrixは、仕事を「緊急度」と「重要度」で整理し、優先順位を決めるためのフレームワークです。

忙しいときほど、目の前の緊急な仕事に流されがちです。しかし、本当に成果につながるのは、緊急ではないが重要な仕事に計画的に取り組むことです。業務改善、仕組み化、教育、戦略検討、顧客理解などは、すぐに対応しなくても今日困らないかもしれません。しかし、将来の成果を大きく左右します。

Eisenhower Matrixを使えば、今すぐやる仕事、予定に入れる仕事、任せる仕事、やめる仕事を整理できます。まずは今日のタスクをすべて書き出し、緊急度と重要度で4つに分けるところから始めてみましょう。

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