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財務・会計・投資判断で使うフレームワークまとめ|初心者向けに意味・種類・使い方をやさしく解説

仕事で数字を扱う場面は、想像以上に多くあります。

売上目標を立てる。利益を改善する。新商品を出す。広告費を使う。設備投資を検討する。新規事業に予算をつける。取引先の安全性を見る。事業部の収益性を判断する。こうした場面では、感覚だけではなく、数字に基づいた判断が必要になります。

しかし、財務や会計のフレームワークは、初心者には難しく見えやすい分野です。

損益分岐点分析、CVP分析、ROI、ROIC、ROE、NPV、IRR、DCF、ABC分析、BSC、デュポン分析、財務三表分析、CCC、予実管理など、似たような言葉が多く、どれをどの場面で使えばよいのか分かりにくいかもしれません。

そこでこの記事では、財務・会計・投資判断で使う代表的なフレームワークをまとめて整理します。

それぞれの意味だけでなく、「何を判断するために使うのか」「どんな場面で役立つのか」「初心者はどれから学べばよいのか」が分かるように、実務寄りに解説します。

目次

この記事でわかること

・財務・会計・投資判断で使うフレームワークの全体像
・各フレームワークの意味と使い方
・損益分析、資本効率、投資判断、財務分析の違い
・初心者が最初に学ぶべきフレームワーク
・仕事の場面別にどのフレームワークを選べばよいか
・関連フレームワーク同士の違い

最初からすべてを完璧に使いこなす必要はありません。まずは「財務・会計・投資判断のフレームワークは、数字で仕事の意思決定を助ける型だ」とつかめれば十分です。

財務・会計・投資判断のフレームワークとは?

財務・会計・投資判断のフレームワークとは、売上、費用、利益、資本、現金、投資効果などを整理し、仕事の意思決定に役立てるための考え方です。

初心者向けに言い換えると、「数字を使って、儲かるのか、効率がよいのか、投資する価値があるのかを判断するための道具」です。

たとえば、新商品を販売するときには、どれだけ売れば赤字を抜けられるかを知る必要があります。このときは、損益分岐点分析やCVP分析が役立ちます。

広告やシステム導入にお金を使うときには、その投資に対してどれだけ効果があるかを考える必要があります。このときは、ROIが役立ちます。

設備投資や新規事業のように、将来にわたって効果が出る投資では、将来のお金を今の価値に直して判断する必要があります。このときは、NPV、IRR、DCFが役立ちます。

会社全体の状態を見たいときには、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を見る必要があります。このときは、財務三表分析が基本になります。

一言でいうと、財務・会計・投資判断のフレームワークは、仕事上の判断を数字で支えるためのフレームワークです。

財務・会計・投資判断のフレームワークは何に使うのか

財務・会計・投資判断のフレームワークは、主に「採算性」「収益性」「資本効率」「投資価値」「資金繰り」「計画管理」を考えるために使います。

仕事では、やりたいことがあっても、予算、人員、時間、設備、資金には限りがあります。そのため、どの施策を優先するのか、どの投資を実行するのか、どの事業を改善するのかを判断しなければなりません。

主な用途は次のとおりです。

・新商品や新サービスの採算性を確認する
・売上目標や利益目標の根拠を作る
・広告や販促施策の投資対効果を見る
・設備投資や新規事業の価値を判断する
・会社や事業の財務状態を把握する
・資本効率や株主視点の収益性を見る
・在庫や売掛金による資金繰りへの影響を見る
・予算と実績のズレを管理する
・経営層や上司への説明に説得力を持たせる

数字に基づいて説明できるようになると、企画や提案の説得力が高まります。

「この施策は必要です」と言うよりも、「この施策は100万円の投資で年間150万円の利益改善が見込めます」と説明したほうが、判断しやすくなります。

どんな人に向いているか

財務・会計・投資判断のフレームワークは、財務部門や経理部門だけのものではありません。

営業、マーケティング、商品企画、研究開発、製造、購買、人材育成、新規事業、経営企画、管理職など、幅広い仕事で役立ちます。

特に次のような人に向いています。

・売上や利益の目標を立てる人
・新商品や新規事業の企画を担当する人
・広告費や販促費を使う人
・システム導入や設備投資を検討する人
・研究開発テーマの事業性を説明したい人
・事業部や部門の業績を管理する人
・取引先や競合企業を分析したい人
・管理職として数字に強くなりたい人
・経営層に提案や報告を行う人

財務の専門家でなくても、基本的なフレームワークを理解しておくと、仕事の見え方が変わります。

売上だけでなく利益を見る。利益だけでなく現金を見る。現金だけでなく将来価値を見る。こうした視点を持てるようになると、より実務的な判断ができるようになります。

財務・会計・投資判断フレームワークの全体像

財務・会計・投資判断のフレームワークは、大きく分けると次の6つの領域に整理できます。

1つ目は、採算性を見るフレームワークです。損益分岐点分析やCVP分析が該当します。どれだけ売れば黒字になるのか、価格や費用が変わると利益がどう変わるのかを考えるために使います。

2つ目は、投資対効果を見るフレームワークです。ROIが代表例です。広告、システム、研修、設備などに使ったお金に対して、どれだけ利益や効果が出たかを見ます。

3つ目は、資本効率を見るフレームワークです。ROIC、ROE、デュポン分析が該当します。事業や会社が、投じた資本をどれだけ効率よく利益に変えているかを見ます。

4つ目は、長期投資を評価するフレームワークです。NPV、IRR、DCFが該当します。将来キャッシュフローを現在価値に直して、投資価値や収益率を判断します。

5つ目は、会社全体の財務状態を見るフレームワークです。財務三表分析やCCCが該当します。収益性、安全性、資金繰り、現金の回転を見ます。

6つ目は、計画と実績を管理するフレームワークです。予実管理やBSCが該当します。計画を立て、実績との差を見ながら改善するために使います。

このように整理すると、それぞれのフレームワークの役割が分かりやすくなります。

代表的なフレームワーク一覧

損益分岐点分析

損益分岐点分析は、売上と費用の関係を整理し、赤字と黒字の境目を把握するためのフレームワークです。

固定費、変動費、限界利益を使って、どれだけ売れば利益がゼロになるのかを計算します。

新商品、店舗運営、イベント、サービス販売、新規事業の採算確認などで役立ちます。

初心者はまず、次のように理解するとよいです。

・固定費は、売れても売れなくても発生する費用
・変動費は、売上や販売数量に応じて増える費用
・限界利益は、売上から変動費を引いた利益
・損益分岐点は、利益がゼロになる売上や販売数量

損益分岐点分析は、「最低限どれだけ売れば赤字にならないか」を知りたいときに使う基本フレームワークです。

CVP分析

CVP分析は、Cost、Volume、Profitの関係を整理するフレームワークです。

費用、販売数量、利益の関係を見ながら、価格変更、数量変化、固定費増加、変動費削減などが利益に与える影響を考えます。

損益分岐点分析が「黒字と赤字の境目」に注目するのに対して、CVP分析はより広く、利益計画やシミュレーションに使えます。

たとえば、次のような場面で役立ちます。

・値引きすると、何個多く売る必要があるか
・広告費を増やした場合、どれだけ販売数を増やせばよいか
・目標利益を達成するには、売上がどれだけ必要か
・固定費削減と価格改定のどちらが利益改善に効くか

CVP分析は、利益を設計するためのフレームワークです。

ROI

ROIは、Return on Investmentの略で、日本語では投資利益率、投資対効果などと呼ばれます。

投資した金額に対して、どれだけ利益や効果が得られたかを見る指標です。

広告費、システム導入、研修、設備投資、販促キャンペーンなど、個別施策の効果を見るときに使いやすいフレームワークです。

基本的な考え方は次のとおりです。

ROI = 利益 ÷ 投資額 × 100

ROIはシンプルで分かりやすい一方、短期的な効果に偏りやすい点には注意が必要です。人材育成、ブランド構築、研究開発のように、長期的な価値を生む投資は、ROIだけでは評価しきれないことがあります。

ROIC

ROICは、Return on Invested Capitalの略で、日本語では投下資本利益率と呼ばれます。

事業に投じた資本に対して、どれだけ効率よく利益を生み出しているかを見る指標です。

ROICは、売上や利益だけでなく、事業にどれだけの資本を使っているかを見る点が特徴です。

たとえば、利益額が大きくても、在庫や設備、売掛金を大量に使っている事業は、資本効率が低い可能性があります。一方、利益額はやや小さくても、少ない資本で効率よく稼いでいる事業は、ROICが高くなります。

ROICは、事業部門の評価、事業ポートフォリオの見直し、設備投資判断、在庫削減、資本効率改善などで役立ちます。

ROE

ROEは、Return on Equityの略で、日本語では自己資本利益率と呼ばれます。

自己資本に対して、どれだけ利益を生み出しているかを見る指標です。主に株主視点での収益性や資本効率を見るために使われます。

基本的な考え方は次のとおりです。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

ROEは投資家が重視する指標の一つです。ただし、ROEは借入を増やして自己資本を小さくすると高く見えることがあります。そのため、ROEだけでなく、自己資本比率、ROIC、キャッシュフローなどとあわせて見ることが重要です。

NPV

NPVは、Net Present Valueの略で、日本語では正味現在価値と呼ばれます。

将来得られるキャッシュフローを現在価値に割り引き、そこから初期投資額を差し引いた価値を示します。

基本的な考え方は次のとおりです。

NPV = 将来キャッシュフローの現在価値合計 - 初期投資額

NPVがプラスであれば、現在価値で見て投資額を上回る価値を生むと考えられます。NPVがマイナスであれば、投資価値が不足している可能性があります。

設備投資、新規事業、研究開発、M&A、システム導入など、長期的な投資判断に向いています。

IRR

IRRは、Internal Rate of Returnの略で、日本語では内部収益率と呼ばれます。

投資によって将来得られるキャッシュフローから、その投資の収益率を求める指標です。

少し専門的に言うと、IRRはNPVがゼロになる割引率です。初心者向けには、「この投資は年率何%くらいで回っているのかを見る指標」と理解すると分かりやすいです。

IRRは、複数の投資案を利回りで比較したいときに使えます。

ただし、IRRが高い案件が必ずしも最も価値の大きい案件とは限りません。投資規模が小さい案件はIRRが高く見えやすいことがあります。そのため、NPVとセットで見ることが重要です。

DCF

DCFは、Discounted Cash Flowの略で、日本語では割引キャッシュフロー法や割引現在価値評価と呼ばれます。

将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて、事業や会社、投資案件の価値を評価する考え方です。

DCFは、NPVやIRRの基礎になる考え方でもあります。

M&A、企業価値評価、新規事業評価、設備投資、研究開発テーマ評価などで使われます。

DCFで重要なのは、将来キャッシュフロー、割引率、評価期間、残存価値です。特に企業価値評価では、前提条件によって評価額が大きく変わります。そのため、DCFの結果は「正解」ではなく、「前提に基づく評価結果」として扱うことが大切です。

ABC分析

財務・会計で使うABC分析は、Activity Based Costingの略で、日本語では活動基準原価計算と呼ばれます。

商品や顧客、サービスに対して、どの活動がどれだけコストを発生させているかを分析する方法です。

従来の原価計算では、間接費が売上や数量で一律に配分されることがあります。しかし実際には、受注処理、問い合わせ対応、検査、出荷、設計変更など、商品や顧客によって活動量が大きく異なります。

ABC分析を使うと、見えにくい活動コストを把握できます。

・売上は大きいが、対応コストも大きい顧客
・カスタマイズ対応が多く、実は利益が少ない商品
・間接費を押し上げている業務プロセス

このような課題を見つけるのに役立ちます。

BSC

BSCは、Balanced Scorecardの略で、日本語ではバランスト・スコアカードと呼ばれます。

財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点から、組織の戦略を目標や指標に落とし込むフレームワークです。

財務指標だけを追いかけると、短期的な利益に偏ってしまうことがあります。BSCを使うと、顧客満足、業務改善、人材育成、組織能力なども含めて、戦略をバランスよく管理できます。

BSCは、次のような場面で役立ちます。

・中期経営計画を現場のKPIに落とし込む
・部門目標を全社戦略につなげる
・財務以外の重要指標を管理する
・短期成果と長期成長を両立させる

BSCは、財務と非財務の指標をつなぐ戦略管理のフレームワークです。

デュポン分析

デュポン分析は、ROEを分解して企業の収益性や資本効率を分析するフレームワークです。

ROEは、自己資本に対してどれだけ利益を出しているかを見る指標ですが、ROEだけを見ても、なぜ高いのか低いのかは分かりません。

デュポン分析では、ROEを次の3つに分けて見ます。

・売上高当期純利益率
・総資産回転率
・財務レバレッジ

これにより、ROEが高い理由が、利益率によるものなのか、資産効率によるものなのか、借入活用によるものなのかを確認できます。

デュポン分析は、企業分析、同業比較、自社の財務課題整理に役立ちます。

財務三表分析

財務三表分析は、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を使って、会社の状態を分析するフレームワークです。

損益計算書は、会社の稼ぐ力を見ます。
貸借対照表は、会社の財産状態や安全性を見ます。
キャッシュフロー計算書は、現金の動きを見ます。

財務三表分析では、この3つをつなげて見ることが重要です。

利益が出ていても、売掛金や在庫が増えていれば現金が不足することがあります。投資キャッシュフローがマイナスでも、それが成長投資であれば必ずしも悪いとは限りません。

財務三表分析は、企業分析や取引先分析、自社の経営改善に使える基本フレームワークです。

CCC

CCCは、Cash Conversion Cycleの略で、日本語ではキャッシュ・コンバージョン・サイクルと呼ばれます。

仕入や生産にお金を使ってから、販売代金を現金として回収するまでにかかる期間を示します。

基本的には、次のように考えます。

CCC = 棚卸資産回転日数 + 売上債権回転日数 - 仕入債務回転日数

CCCが長いほど、現金が在庫や売掛金として長く滞留し、資金繰りに負担がかかります。CCCが短いほど、現金の回転が速いと考えられます。

ただし、CCCを短くすることだけが目的になってはいけません。在庫を減らしすぎると欠品が起き、回収条件を厳しくしすぎると顧客関係が悪化し、支払いを遅らせすぎると仕入先との信頼を損なう可能性があります。

予実管理

予実管理は、予算や計画と実績を比較し、その差を分析して改善につなげる管理手法です。

「予」は予算や予定、「実」は実績を意味します。

予実管理では、次の流れが基本になります。

・計画を立てる
・実績を集める
・差異を確認する
・原因を分析する
・対策を実行する
・次の計画に反映する

売上、利益、費用、広告、プロジェクト、研修、製造、研究開発など、さまざまな仕事で使えます。

予実管理の目的は、未達を責めることではありません。計画と実績のズレを早く見つけ、改善行動につなげることです。

目的別に見るフレームワークの選び方

赤字と黒字の境目を知りたい場合

赤字と黒字の境目を知りたい場合は、損益分岐点分析を使います。

どれだけ売れば利益がゼロになるのか、何個売れば黒字になるのかを確認できます。

新商品、店舗、イベント、サービス販売、新規事業の初期検討に向いています。

利益構造をシミュレーションしたい場合

価格、販売数量、費用、利益の関係を見たい場合は、CVP分析を使います。

値引き、広告費追加、固定費増加、変動費削減などが利益に与える影響を見たいときに役立ちます。

損益分岐点分析よりも、より広い利益計画に向いています。

投資対効果を簡単に見たい場合

広告、システム、研修、販促などの施策について、投資額に対する効果を見たい場合はROIを使います。

ROIはシンプルで説明しやすいため、社内提案や稟議資料にも向いています。

ただし、長期的な価値や非金銭的効果は見落としやすいため、注意が必要です。

事業の資本効率を見たい場合

事業に投じた資本に対して、どれだけ利益を生んでいるかを見たい場合はROICを使います。

在庫、設備、売掛金などを含めて、事業全体の資本効率を見たいときに向いています。

製造業や多角化企業の事業ポートフォリオ分析にも役立ちます。

株主視点の収益性を見たい場合

自己資本に対して、どれだけ利益を生み出しているかを見たい場合はROEを使います。

投資家や株主向けの視点で企業を分析するときに役立ちます。

ただし、ROEは財務レバレッジの影響を受けるため、デュポン分析やROICとあわせて見ることが重要です。

長期投資の価値を見たい場合

設備投資、新規事業、研究開発、M&Aのように、将来複数年にわたってキャッシュフローが発生する案件では、NPV、IRR、DCFを使います。

NPVは、投資価値を金額で示します。
IRRは、投資の収益率を示します。
DCFは、将来キャッシュフローを現在価値に直す考え方です。

長期投資では、ROIだけでなく、NPVやIRRもあわせて考えると判断の精度が上がります。

会社全体の状態を見たい場合

会社の収益性、安全性、資金繰りを総合的に見たい場合は、財務三表分析を使います。

損益計算書で稼ぐ力、貸借対照表で財務体質、キャッシュフロー計算書で現金の動きを確認します。

企業分析、取引先分析、競合分析、自社の経営改善に向いています。

現金の回転を見たい場合

在庫、売掛金、買掛金による資金繰りへの影響を見たい場合はCCCを使います。

特に、製造業、卸売業、小売業、BtoB取引では重要です。

売上や利益が伸びていても、CCCが長いと資金繰りが苦しくなることがあります。

計画と実績を管理したい場合

予算や計画に対して、実績がどう進んでいるかを見たい場合は予実管理を使います。

売上、利益、費用、プロジェクト、KPIなど、幅広い管理に使えます。

予実管理は、計画を立てるだけでなく、実行しながら改善するためのフレームワークです。

初心者が最初に学ぶべき順番

財務・会計・投資判断のフレームワークを学ぶときは、いきなり難しい投資評価から入るよりも、身近な数字から順番に学ぶのがおすすめです。

まず学びたいのは、損益分岐点分析です。赤字と黒字の境目を理解できるため、売上、費用、利益の基本的な関係が分かります。

次に、CVP分析を学ぶと、価格、数量、費用、利益の関係をより広く理解できます。値引きや広告費の影響も考えやすくなります。

その次に、ROIを学ぶと、広告、システム、研修など、日常業務で使う投資対効果を説明できるようになります。

さらに、財務三表分析を学ぶと、会社全体の収益性、安全性、資金繰りを立体的に見られるようになります。

その後で、ROE、ROIC、デュポン分析を学ぶと、資本効率や企業分析の理解が深まります。

最後に、NPV、IRR、DCFを学ぶと、設備投資、新規事業、M&Aなどの長期投資を評価できるようになります。

初心者向けの学習順序は次のとおりです。

・損益分岐点分析
・CVP分析
・ROI
・財務三表分析
・CCC
・予実管理
・ROE
・ROIC
・デュポン分析
・NPV
・IRR
・DCF
・ABC分析
・BSC

もちろん、仕事で必要なものから学んでも問題ありません。営業やマーケティングならROI、事業企画なら損益分岐点分析やCVP分析、経営企画なら財務三表分析やROIC、投資判断ならNPVやIRRから入ると実務に結びつきやすくなります。

フレームワークを使うメリット

財務・会計・投資判断のフレームワークを使うメリットは、仕事の判断を数字で説明できるようになることです。

感覚や経験も大切ですが、ビジネスでは関係者に説明し、予算を取り、意思決定を進める必要があります。そのときに、数字の根拠があると説得力が高まります。

主なメリットは次のとおりです。

・売上、費用、利益の関係を理解できる
・投資や施策の妥当性を説明できる
・赤字や資金繰りのリスクに気づきやすい
・複数案を比較しやすくなる
・経営層や上司への説明がしやすくなる
・部門間で共通言語を持てる
・事業改善の優先順位を決めやすくなる
・計画の精度と実行力を高められる

特に、企画職や管理職にとって、財務フレームワークは重要です。

良いアイデアであっても、採算性、投資対効果、資金繰りを説明できなければ、実行されにくくなります。フレームワークを使うことで、アイデアを事業として成立させるための説明力が高まります。

フレームワークを使うときの注意点

財務・会計・投資判断のフレームワークは便利ですが、数字だけで判断すると危険です。

数字は重要ですが、数字は前提条件に左右されます。売上予測、費用見積もり、割引率、在庫水準、回収条件、投資期間などの前提が変われば、結果も変わります。

よくある失敗例は次のとおりです。

・売上予測を楽観的に置きすぎる
・費用や追加投資を見落とす
・利益だけを見て現金の動きを見ない
・ROIだけで長期投資を判断する
・ROEの高さだけで企業を評価する
・NPVやDCFの前提条件を確認しない
・数字を精密に見せすぎて不確実性を忘れる
・戦略性、顧客価値、組織能力を無視する

フレームワークは、正解を自動で出してくれるものではありません。

あくまで、考えるための型です。数字を出したら終わりではなく、「その前提は妥当か」「リスクは何か」「他の選択肢はないか」「定性的な価値はどう考えるか」を合わせて確認することが大切です。

関連フレームワークとの違い

財務・会計・投資判断のフレームワークは、他のビジネスフレームワークとも関係します。

たとえば、3C分析やSWOT分析は、市場、競合、自社の状況を整理するために使います。これらは戦略を考えるためのフレームワークです。一方、財務フレームワークは、その戦略が採算に合うか、投資する価値があるかを数字で確認するために使います。

STPや4Pは、マーケティング戦略を考えるためのフレームワークです。財務フレームワークを組み合わせると、価格設定、販売数量、広告投資、利益率を確認できます。

PDCAやOODAは、実行と改善のためのフレームワークです。予実管理と組み合わせることで、計画と実績の差を見ながら改善を進められます。

KPIやKGIは、目標管理のための指標です。BSCや予実管理と組み合わせることで、財務だけでなく、顧客、業務、人材の指標も管理できます。

このように、財務・会計・投資判断のフレームワークは、他のビジネスフレームワークを数字面から支える役割を持っています。

財務・会計・投資判断フレームワークはどんな場面で使うと効果的か

財務・会計・投資判断フレームワークは、数字に基づいて意思決定したい場面で効果的です。

特に、予算、人員、設備、資金などの経営資源を使う判断では、財務的な視点が欠かせません。

効果的な活用場面は次のとおりです。

・新商品や新サービスの採算を確認するとき
・価格設定や値引きの影響を考えるとき
・広告費や販促費の投資対効果を見るとき
・設備投資やシステム導入を判断するとき
・研究開発テーマの事業性を説明するとき
・新規事業やM&Aの投資価値を評価するとき
・事業部や商品別の収益性を比較するとき
・会社や取引先の財務状態を確認するとき
・在庫や売掛金による資金繰りを改善するとき
・計画と実績の差を見ながら改善するとき

たとえば、新規事業を検討する場合は、最初に損益分岐点分析で採算ラインを確認し、CVP分析で価格や数量をシミュレーションし、ROIで初期施策の効果を見ます。さらに、長期的な価値を見たい場合はNPVやIRRを使います。

このように、1つのフレームワークだけでなく、目的に応じて組み合わせることが重要です。

まとめ

財務・会計・投資判断で使うフレームワークは、仕事の意思決定を数字で支えるための道具です。

損益分岐点分析やCVP分析は、赤字と黒字の境目や利益構造を考えるために使います。ROIは、広告やシステム導入などの投資対効果を見るために使います。ROICやROE、デュポン分析は、資本効率や企業の収益構造を理解するために使います。

NPV、IRR、DCFは、設備投資、新規事業、M&Aのような長期投資を評価するために使います。財務三表分析やCCCは、会社全体の収益性、安全性、資金繰りを確認するために役立ちます。予実管理やBSCは、計画や戦略を実行に落とし込み、継続的に改善するために使います。

初心者は、すべてを一度に覚える必要はありません。まずは、損益分岐点分析、ROI、財務三表分析、予実管理のように、仕事で使いやすいものから学ぶとよいでしょう。

数字に強くなることは、単に会計知識を増やすことではありません。自分の提案を通す力、事業を説明する力、リスクに気づく力、改善策を考える力を高めることです。

まずは、自分の担当している仕事について「売上」「費用」「利益」「投資額」「現金の動き」のどれを見れば判断しやすくなるかを考え、1つのフレームワークから使ってみましょう。

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