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ハーズバーグの二要因理論とは?初心者向けに意味・使い方・具体例をやさしく解説

社員のモチベーションを考えるとき、「給与を上げればやる気が出るのか」「不満を減らせば前向きに働いてくれるのか」「働きがいを高めるには何を見ればよいのか」と迷うことはないでしょうか。

職場では、不満を減らすことと、やる気を高めることは同じではありません。

たとえば、給与や職場環境への不満が減っても、それだけで仕事へのやりがいや成長意欲が高まるとは限りません。

一方で、仕事の達成感や成長実感があっても、労働条件や人間関係に大きな不満があれば、働き続けることが難しくなる場合があります。

このように、職場の満足や不満を分けて考えるときに役立つのが、ハーズバーグの二要因理論です。

ハーズバーグの二要因理論は、仕事における満足と不満足を、動機づけ要因と衛生要因の2つで整理するフレームワークです。

人材育成、組織開発、マネジメント、エンゲージメント向上、職場改善などで活用できます。

この記事では、ハーズバーグの二要因理論の意味、使い方、具体例、注意点までを、初心者向けにやさしく整理して解説します。

目次

この記事でわかること

  • ハーズバーグの二要因理論とは何か
  • 動機づけ要因と衛生要因の違い
  • ハーズバーグの二要因理論は何に使うのか
  • ハーズバーグの二要因理論の使い方
  • ハーズバーグの二要因理論の具体例
  • 関連フレームワークとの違い

最初から心理学の理論として難しく考える必要はありません。まずは「不満を減らす要因と、やる気を高める要因は違う」とつかめれば十分です。

ハーズバーグの二要因理論とは?

ハーズバーグの二要因理論とは、仕事に対する満足と不満足を、2つの要因に分けて考える理論です。

2つの要因とは、次の通りです。

  • 動機づけ要因
  • 衛生要因

動機づけ要因とは、仕事への満足感ややりがいを高める要因です。

たとえば、達成感、承認、責任、成長、仕事そのものの面白さなどが含まれます。

衛生要因とは、不満を生みやすい要因です。

たとえば、給与、労働条件、職場環境、人間関係、会社方針、上司との関係などが含まれます。

やさしく言うと、ハーズバーグの二要因理論は「不満を減らすために必要なもの」と「やる気を高めるために必要なもの」を分けて考える方法です。

たとえば、職場環境が悪いと不満が生まれます。

しかし、職場環境を整えたからといって、それだけで社員が大きなやりがいを感じるとは限りません。

一方で、仕事の達成感や成長実感があると、社員の前向きな意欲は高まりやすくなります。

一言でいうと、ハーズバーグの二要因理論は、職場の不満解消とモチベーション向上を分けて考えるためのフレームワークです。

ハーズバーグの二要因理論は何に使うのか

ハーズバーグの二要因理論は、社員のモチベーションや職場改善を考えるときに使います。

特に、働きがいを高めたいときや、離職、不満、意欲低下の原因を整理したいときに役立ちます。

ハーズバーグの二要因理論は、次のような場面で活用できます。

  • 社員のモチベーションを高めたいとき
  • 職場不満の原因を整理したいとき
  • エンゲージメントを高めたいとき
  • 離職防止策を考えたいとき
  • 管理職のマネジメントを改善したいとき
  • 人材育成施策を設計したいとき
  • 仕事のやりがいを高めたいとき
  • 評価や承認の仕組みを見直したいとき

たとえば、社員アンケートで「やる気が出ない」という声が出たとします。

このとき、すぐに給与や福利厚生だけを見直しても、根本的な解決にならない場合があります。

不満の原因が労働条件なら衛生要因の改善が必要です。

しかし、やりがいの不足が原因なら、仕事の裁量、成長機会、承認、責任ある役割など、動機づけ要因を高める必要があります。

どんな人に向いているか

ハーズバーグの二要因理論が向いているのは、次のような人です。

  • 人材育成を担当している人
  • 組織開発を担当している人
  • 管理職やチームリーダー
  • 社員のモチベーションを高めたい人
  • 離職防止を考える人事担当者
  • 職場改善を進めたい人
  • エンゲージメントサーベイを活用したい人
  • 働きがいのある職場を作りたい人

ハーズバーグの二要因理論は、人事制度だけでなく、日常のマネジメントや職場づくりにも使いやすい考え方です。

動機づけ要因とは?

動機づけ要因とは、仕事への満足感や前向きな意欲を高める要因です。

仕事そのもののやりがいや、成長、達成感、承認などが含まれます。

代表的な動機づけ要因は、次の通りです。

  • 達成感
  • 承認
  • 仕事そのものの面白さ
  • 責任
  • 成長
  • 昇進
  • 裁量
  • 貢献実感

たとえば、自分が担当したプロジェクトで成果が出たとき、人は達成感を得ます。

上司や同僚から「よくやった」と認められれば、承認欲求も満たされます。

難しい仕事を任され、成長できたと感じれば、さらに前向きに取り組みやすくなります。

動機づけ要因は、社員が「この仕事を頑張りたい」「もっと成長したい」「組織に貢献したい」と感じるために重要です。

衛生要因とは?

衛生要因とは、不満を生みやすい要因です。

衛生要因が悪いと、社員は不満を感じやすくなります。

一方で、衛生要因を整えても、それだけで大きなやる気が生まれるとは限りません。

代表的な衛生要因は、次の通りです。

  • 給与
  • 労働条件
  • 職場環境
  • 会社方針
  • 管理方法
  • 上司との関係
  • 同僚との関係
  • 雇用の安定
  • 福利厚生

たとえば、給与に強い不満がある、上司との関係が悪い、残業が多すぎる、職場環境が悪いといった状態では、社員は前向きに働きにくくなります。

このような不満を減らすには、衛生要因を整える必要があります。

ただし、衛生要因を整えることは、あくまで不満を減らすための土台です。

そこからさらにやる気や働きがいを高めるには、動機づけ要因も必要になります。

ハーズバーグの二要因理論の基本的な考え方

ハーズバーグの二要因理論の基本的な考え方は、不満足の解消と満足の向上を分けて考えることです。

多くの場合、職場では「不満をなくせば、社員は満足する」と考えられがちです。

しかし、この理論では、不満を減らす要因と満足を高める要因は別だと考えます。

たとえば、職場の空調が悪い、給与への不満がある、上司の説明が不十分という状態では、不満が生まれます。

これらを改善すれば、不満は減ります。

しかし、不満が減ったからといって、必ずしも仕事へのやりがいや成長意欲が高まるわけではありません。

やりがいを高めるには、達成感、承認、責任、成長機会、仕事の意味などが必要です。

つまり、職場改善では、次の2つを分けて考えることが大切です。

  • 衛生要因を整えて不満を減らす
  • 動機づけ要因を高めて働きがいを増やす

どちらか一方だけでは不十分です。

不満が大きい職場では、まず衛生要因の改善が必要です。

そのうえで、社員が前向きに働けるように、動機づけ要因を強化していきます。

ハーズバーグの二要因理論の使い方

ハーズバーグの二要因理論は、次の流れで使うとわかりやすいです。

手順1 職場の不満要因を洗い出す

まず、職場で不満につながっている要因を洗い出します。

これは主に衛生要因にあたります。

たとえば、次のような項目です。

  • 給与や処遇への不満
  • 残業や業務負荷への不満
  • 上司との関係
  • 職場の人間関係
  • 会社方針への不信感
  • 評価制度への納得感不足
  • 作業環境やシステムの使いにくさ
  • 情報共有不足

不満要因を把握するには、社員アンケート、1on1、面談、離職者ヒアリング、職場観察などが役立ちます。

ここで大切なのは、不満を個人のわがままと決めつけないことです。

不満の背景には、制度、業務設計、マネジメント、コミュニケーションの問題がある場合があります。

手順2 衛生要因を改善する

不満要因が見えたら、衛生要因を改善します。

衛生要因の改善は、働き続けるための土台づくりです。

たとえば、次のような改善策があります。

  • 業務量を見直す
  • 評価基準をわかりやすく説明する
  • 上司のマネジメントを改善する
  • 職場環境を整える
  • 情報共有の仕組みを作る
  • 労働時間を適正化する
  • 相談しやすい体制を作る
  • 不公平感を減らす

衛生要因が悪いまま、やりがいや成長だけを語っても、社員には響きにくいことがあります。

まずは、大きな不満を減らすことが大切です。

手順3 動機づけ要因を確認する

次に、社員がどのようなことにやりがいや成長実感を感じているかを確認します。

これは動機づけ要因にあたります。

たとえば、次のような問いが役立ちます。

  • どのような仕事に達成感を感じるか
  • どんなときに成長を感じるか
  • 誰からどのように認められるとうれしいか
  • どのような責任や裁量を持ちたいか
  • どんな仕事に意味を感じるか
  • 今後どのような挑戦をしたいか

動機づけ要因は、人によって異なります。

ある人は裁量にやりがいを感じます。

別の人は専門性の成長にやりがいを感じます。

また別の人は、顧客への貢献やチームへの貢献にやりがいを感じます。

手順4 動機づけ要因を高める施策を考える

動機づけ要因を確認したら、それを高める施策を考えます。

たとえば、次のような施策があります。

  • 成果を認める機会を増やす
  • 挑戦的な仕事を任せる
  • 裁量を広げる
  • 成長機会を提供する
  • 仕事の目的や意味を伝える
  • 顧客や利用者からの声を共有する
  • キャリア面談を行う
  • 役割や責任を明確にする
  • 小さな成功体験を作る

大切なのは、社員が「自分の仕事には意味がある」「自分は成長している」「自分の貢献が認められている」と感じられる状態を作ることです。

手順5 衛生要因と動機づけ要因を分けて改善する

最後に、衛生要因と動機づけ要因を分けて改善します。

よくある失敗は、不満要因と動機づけ要因を混同することです。

たとえば、残業過多で疲弊している職場に対して、「もっと成長機会を与えよう」と考えても、まずは業務負荷を整える必要があります。

逆に、不満は少ないが仕事にやりがいを感じていない職場では、衛生要因だけを整えても前向きな意欲は高まりにくいです。

職場の状態に応じて、どちらを優先するかを見極めることが重要です。

ハーズバーグの二要因理論の具体例

ここでは、「若手社員のモチベーション低下」を例に、ハーズバーグの二要因理論の使い方を見てみます。

例 若手社員のモチベーションが下がっている場合

前提として、若手社員から「仕事にやりがいを感じない」「このまま続けてよいのかわからない」という声が出ているとします。

まず、不満要因を確認します。

ヒアリングすると、次のような声がありました。

  • 残業が多い
  • 上司に相談しにくい
  • 評価基準がわかりにくい
  • 雑務が多く、成長している実感がない
  • 自分の仕事が何につながっているかわからない

このうち、残業、上司との関係、評価基準の不明確さは、衛生要因に近いです。

まずは業務量の見直し、1on1の実施、評価基準の説明などで、不満を減らす必要があります。

一方で、成長実感がない、仕事の意味が見えないという点は、動機づけ要因に関係します。

この場合、上司が仕事の目的を伝える、少し挑戦的な業務を任せる、成果を認める、キャリア面談を行うといった施策が考えられます。

このように、ハーズバーグの二要因理論を使うと、不満を減らす対策と、やりがいを高める対策を分けて考えられます。

別の例 管理職の職場改善に使う場合

ある管理職が、チームのエンゲージメントを高めたいとします。

アンケートを見ると、職場の人間関係や労働時間には大きな不満はありません。

しかし、「仕事を通じた成長実感」「成果が認められている感覚」「裁量の大きさ」のスコアが低い状態です。

この場合、衛生要因よりも動機づけ要因に課題があります。

管理職は、メンバーに任せる仕事の範囲を広げる、成果を具体的に承認する、仕事の目的を共有する、成長テーマを1on1で話す、といった施策を行うとよいでしょう。

逆に、職場の人間関係や業務負荷に強い不満がある場合は、まず衛生要因の改善を優先します。

具体例でわかるポイント

ハーズバーグの二要因理論の具体例からわかるポイントは、不満解消とやる気向上を分けることです。

  • 不満の原因を衛生要因として整理する
  • やりがいの源泉を動機づけ要因として整理する
  • 衛生要因が悪い場合は先に整える
  • 動機づけ要因で働きがいを高める
  • どちらか一方だけで考えない

この視点を持つと、職場改善や人材育成の打ち手を考えやすくなります。

ハーズバーグの二要因理論を使うメリット

ハーズバーグの二要因理論を使うメリットは、モチベーション施策を整理しやすくなることです。

社員の意欲低下に対して、すぐに給与や制度だけを見直すのではなく、不満要因と動機づけ要因を分けて考えられます。

主なメリットは、次の通りです。

  • 職場不満の原因を整理しやすい
  • やりがいを高める施策を考えやすい
  • 離職防止とモチベーション向上を分けて考えられる
  • エンゲージメント向上施策に活用しやすい
  • 管理職のマネジメント改善に使いやすい
  • 1on1や面談の問いを作りやすい
  • 人材育成や職場改善の優先順位を決めやすい

ハーズバーグの二要因理論は、職場の問題を「何となくやる気がない」で終わらせず、構造的に整理するために役立ちます。

ハーズバーグの二要因理論を使うときの注意点

ハーズバーグの二要因理論を使うときに注意したいのは、すべての人に同じように当てはまると考えすぎないことです。

よくある誤解や失敗は、次のようなものです。

  • 給与はやる気に関係ないと単純に考える
  • 衛生要因を軽視する
  • 動機づけ要因だけで不満を解消しようとする
  • 社員ごとの違いを見ない
  • 職場の状況を確認せずに施策を決める
  • 承認や成長機会を形だけにする
  • 不満が強い状態でやりがいだけを語る

特に、「給与は衛生要因だから、やる気には関係ない」と単純に考えるのは危険です。

給与や処遇は、不公平感や生活不安につながる場合もあります。

また、人によって何にやりがいを感じるかは異なります。

ある人にとっては成長機会が重要でも、別の人にとっては安定や人間関係が重要かもしれません。

理論はあくまで整理の道具として使い、実際には社員の声や職場の状態を確認することが大切です。

関連フレームワークとの違い

ハーズバーグの二要因理論と関連するフレームワークには、マズローの欲求階層、エンゲージメントモデル、心理的安全性、Will / Can / Mustなどがあります。

それぞれの違いを簡単に整理します。

  • ハーズバーグの二要因理論
    仕事の満足と不満足を、動機づけ要因と衛生要因に分けて整理する理論です。職場改善やモチベーション施策に向いています。
  • マズローの欲求階層
    人間の欲求を、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求などの階層で整理する理論です。人の欲求理解に向いています。
  • エンゲージメントモデル
    社員が仕事や組織に前向きに関わっている状態を整理するフレームワークです。組織状態の把握に向いています。
  • 心理的安全性
    安心して意見、質問、失敗を共有できる状態を示す考え方です。衛生要因やエンゲージメントに関係します。
  • Will / Can / Must
    本人の希望、能力、組織期待を整理するフレームワークです。個人の動機や育成テーマを考えるときに役立ちます。

ハーズバーグの二要因理論は、職場の不満と働きがいを分けて見るためのフレームワークです。

マズローの欲求階層で人の欲求を理解し、エンゲージメントモデルで組織状態を把握し、二要因理論で改善施策を整理すると、職場改善に活用しやすくなります。

ハーズバーグの二要因理論はどんな場面で使うと効果的か

ハーズバーグの二要因理論は、特に次のような場面で効果的です。

  • 社員のモチベーションを高めたいとき
  • 職場不満の原因を整理したいとき
  • エンゲージメントサーベイの結果を分析するとき
  • 離職防止策を考えたいとき
  • 管理職のマネジメントを改善したいとき
  • 働きがいのある職場を作りたいとき
  • 人材育成やキャリア支援を考えたいとき

ハーズバーグの二要因理論は、不満を減らす施策と、やりがいを高める施策を分けたい場面に向いています。

一方で、個人のキャリア動機を深く見る場合はWill / Can / Must、組織全体の状態を見る場合はエンゲージメントモデルと組み合わせると効果的です。

まとめ

ハーズバーグの二要因理論とは、仕事に対する満足と不満足を、動機づけ要因と衛生要因の2つで整理する理論です。

動機づけ要因は、仕事への満足ややりがいを高める要因です。

達成感、承認、責任、成長、仕事そのものの面白さなどが含まれます。

衛生要因は、不満を生みやすい要因です。

給与、労働条件、職場環境、人間関係、会社方針、上司との関係などが含まれます。

大切なのは、不満を減らすことと、やる気を高めることを分けて考えることです。

職場不満が大きい場合は、まず衛生要因を整える必要があります。

そのうえで、達成感、承認、成長機会、裁量、仕事の意味などの動機づけ要因を高めることで、働きがいにつながります。

まずは、自分の職場について、「不満を生んでいる要因は何か」「やりがいを高める要因は何か」を分けて書き出してみましょう。

それが、ハーズバーグの二要因理論を使った職場改善の第一歩になります。

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