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SBIとは?初心者向けに意味・使い方・具体例をやさしく解説

部下や後輩にフィードバックをするとき、「何をどう伝えればよいかわからない」と感じることはありませんか。

仕事では、良い行動をほめる場面もあれば、改善してほしい行動を伝える場面もあります。しかし、伝え方を間違えると、相手は「人格を否定された」と感じたり、「何を直せばよいのかわからない」と受け取ったりします。

そこで役立つのがSBIです。

SBIは、Situation、Behavior、Impactの順番でフィードバックを整理するフレームワークです。日本語では「状況、行動、影響」と考えるとわかりやすいです。

SBIを使うと、あいまいな印象ではなく、具体的な場面と行動に基づいてフィードバックできます。そのため、相手が受け止めやすく、次の行動にもつながりやすくなります。

目次

この記事でわかること

・SBIとは何か
・SBIは何に使うのか
・SBIの基本的な考え方
・SBIの使い方
・SBIの具体例
・関連フレームワークとの違い

最初から完璧に使いこなす必要はありません。まずは「SBIは具体的な行動に対してフィードバックするための型だ」とつかめれば十分です。

SBIとは?

SBIとは、フィードバックを具体的に伝えるためのフレームワークです。

SBIは、次の3つの要素の頭文字を取ったものです。

・Situation:状況
・Behavior:行動
・Impact:影響

まず、どの場面での話なのかを示します。次に、その場面で相手がどのような行動をしたのかを伝えます。最後に、その行動が周囲や業務にどのような影響を与えたのかを伝えます。

たとえば、「もっと積極的に発言してほしい」とだけ伝えても、相手は何をどう変えればよいのかわかりにくいです。

SBIを使うと、「昨日のプロジェクト会議で、顧客からの問い合わせ対応について自分の考えを発言してくれました。その発言によって、営業側の課題が明確になり、次の対応方針を決めやすくなりました」と伝えられます。

このように、SBIでは、抽象的な評価ではなく、具体的な状況、行動、影響をセットで伝えます。

初心者向けに言い換えると、SBIは「いつ、どんな行動があり、それがどんな影響を与えたのか」を伝える型です。

一言でいうと、SBIは具体的な行動に基づいてフィードバックするためのフレームワークです。

SBIは何に使うのか

SBIは、仕事でフィードバックを伝える場面に使います。

フィードバックには、良い行動を強化するためのポジティブフィードバックと、改善を促すための改善フィードバックがあります。SBIは、どちらにも使えます。

SBIは、次のような用途で使えます。

・部下や後輩に良い行動を伝える
・改善してほしい行動を具体的に伝える
・1on1ミーティングで成長支援をする
・評価面談で行動の根拠を示す
・チームメンバーの貢献を認める
・会議での発言や行動にフィードバックする
・リーダーがメンバーを育成する
・組織内のコミュニケーションを改善する

SBIは、「なんとなく良かった」「もっと頑張ってほしい」というあいまいなフィードバックを、具体的で行動しやすい内容に変えるために使います。

どんな人に向いているか

SBIは、特に次のような人に向いています。

・部下や後輩にフィードバックする立場の人
・管理職やチームリーダー
・1on1を担当している人
・人材育成に関わる人
・評価面談のコメントを具体的にしたい人
・メンバーの良い行動をきちんと認めたい人
・改善点を相手に受け止めやすく伝えたい人
・チーム内のコミュニケーションを良くしたい人
・自分自身の振り返りにも使いたい人

SBIは、リーダーや管理職だけのものではありません。同僚同士のフィードバック、プロジェクトの振り返り、研修後のコメントなどにも使えます。

SBIの基本的な考え方

SBIの基本は、「人」ではなく「行動」に焦点を当てることです。

フィードバックでよくある失敗は、相手の性格や能力を決めつけるような言い方をしてしまうことです。

たとえば、「あなたは消極的だ」「責任感が足りない」「リーダーシップがある」といった表現は、抽象的です。良い評価であっても、相手はどの行動が評価されたのか理解しにくい場合があります。

SBIでは、特定の状況における具体的な行動を取り上げます。そして、その行動がどのような影響を与えたのかを伝えます。

これにより、相手は「何が良かったのか」「何を改善すればよいのか」を理解しやすくなります。

SBIで大切なのは、次の3つです。

・特定の状況に絞る
・観察できる行動を伝える
・その行動による影響を伝える

特にBehaviorでは、相手の内面を推測しすぎないことが重要です。「やる気がないように見える」ではなく、「会議中に発言がなかった」「期限当日の夕方まで進捗共有がなかった」のように、観察できる行動として伝えます。

SBIの使い方

手順1 フィードバックする場面を特定する

最初に、Situationとして、どの場面について話しているのかを明確にします。

状況があいまいだと、相手は「いつの話だろう」「何について言われているのだろう」と迷ってしまいます。

たとえば、次のように具体的に伝えます。

・昨日の営業会議で
・先週の顧客対応の場面で
・今朝のチームミーティングで
・前回の1on1で話した資料作成の件で
・先月のプロジェクト報告会で

Situationは長く説明する必要はありません。相手が「あの場面のことだ」と思い出せる程度に具体的であれば十分です。

手順2 観察できる行動を伝える

次に、Behaviorとして、相手が実際にした行動を伝えます。

ここでは、評価や解釈ではなく、観察できる行動を扱います。

たとえば、次のような表現です。

・顧客の質問に対して、過去の対応事例を示して説明していました
・会議の最後に、決定事項と担当者を確認していました
・資料の中で、前回からの変更点を色分けして示していました
・締切前日に、進捗状況と残課題を共有していました
・他のメンバーの意見を聞いたうえで、自分の考えを述べていました

改善フィードバックの場合も、できるだけ行動として伝えます。

・会議中に、まだ発言していないメンバーへの確認がありませんでした
・資料提出が締切当日の夜になっていました
・顧客への回答前に、関係部署への確認がされていませんでした

相手を責めるのではなく、何が起きたのかを具体的に伝えることが大切です。

手順3 その行動の影響を伝える

次に、Impactとして、その行動がどのような影響を与えたのかを伝えます。

影響には、良い影響も悪い影響もあります。

ポジティブな影響の例は、次のとおりです。

・議論が整理され、次の行動を決めやすくなりました
・顧客が安心して質問しやすい雰囲気になりました
・メンバーが作業の優先順位を理解しやすくなりました
・確認作業の時間が短縮されました
・チーム全体の認識がそろいました

改善が必要な影響の例は、次のとおりです。

・確認時間が不足し、修正が翌日にずれ込みました
・関係部署との認識違いが残りました
・会議後に追加確認が必要になりました
・他のメンバーの作業開始が遅れました
・顧客への回答品質に不安が残りました

Impactを伝えることで、相手は自分の行動が周囲や業務にどう関係しているかを理解できます。

手順4 必要に応じて次の行動につなげる

SBI自体は、Situation、Behavior、Impactの3要素ですが、実務では次の行動につなげる一言を加えると効果的です。

たとえば、良い行動に対しては、次のように伝えます。

・次回も同じように進めてもらえると助かります
・この進め方は、他の案件でも活かせると思います
・ぜひチーム内にも共有してください

改善が必要な場合は、次のように伝えます。

・次回は、会議前に関係部署への確認を済ませておきましょう
・締切前日に一度、進捗を共有してもらえると安心です
・次の案件では、最初に確認項目を一緒に整理しましょう

SBIはフィードバックの型ですが、育成や改善につなげるには、最後に次の行動を確認することが大切です。

SBIの具体例

例 部下の良い行動をほめる場合

SBIを使って、部下の良い行動をフィードバックしてみます。

Situation:
昨日の顧客向け提案会議で、

Behavior:
お客様から急に追加質問が出たときに、過去の事例と現在の制約条件を分けて説明していました。

Impact:
その説明のおかげで、お客様が状況を理解しやすくなり、次回までに検討すべき論点も明確になりました。

このように伝えると、相手は単に「よかった」と言われるよりも、どの行動が評価されたのかを理解できます。結果として、その行動を次回以降も再現しやすくなります。

別の例 改善してほしい行動を伝える場合

改善フィードバックにもSBIは使えます。

Situation:
今朝のプロジェクトミーティングで、

Behavior:
進捗が遅れている作業について、具体的な遅延理由と次の対応予定の共有がありませんでした。

Impact:
そのため、他のメンバーが自分の作業への影響を判断しにくく、会議後に個別確認が必要になりました。

このように伝えると、「報告が悪い」「責任感が足りない」といった人格評価を避けられます。問題となった行動と影響が明確になるため、相手も改善しやすくなります。

具体例でわかるポイント

SBIの具体例から、次のようなポイントがわかります。

・フィードバックは具体的な場面に絞ると伝わりやすい
・性格ではなく行動に焦点を当てる
・行動が周囲に与えた影響を伝える
・良い行動は再現しやすくなる
・改善点も相手が受け止めやすくなる

SBIは、フィードバックを「評価」ではなく「成長支援」に変えるための実務的な型です。

SBIを使うメリット

SBIを使うメリットは、フィードバックが具体的になり、相手が行動に移しやすくなることです。

抽象的なフィードバックは、相手を不安にさせることがあります。「もっと主体的に動いてください」と言われても、具体的に何を変えればよいのかわからない場合があります。

SBIを使えば、状況、行動、影響が明確になるため、相手は自分の行動を振り返りやすくなります。

SBIの主なメリットは、次のとおりです。

・フィードバックが具体的になる
・相手が受け止めやすい
・人格否定になりにくい
・良い行動を再現しやすくなる
・改善行動につながりやすい
・1on1や評価面談で使いやすい
・チーム内のコミュニケーションが改善しやすい
・育成の質が高まりやすい

また、SBIはほめる場面でも非常に有効です。単に「よかったです」と言うよりも、どの行動がどう良かったのかを伝えることで、相手の成長につながります。

SBIを使うときの注意点

SBIを使うときは、事実と解釈を混同しないことが重要です。

特に改善フィードバックでは、相手の内面を決めつける表現を避ける必要があります。

よくある失敗例は、次のとおりです。

・Situationがあいまいで、相手が場面を思い出せない
・Behaviorではなく性格や能力を評価してしまう
・Impactが自分の不満だけになっている
・過去の失敗をまとめて持ち出してしまう
・フィードバックのタイミングが遅すぎる
・改善点ばかり伝えて、良い行動を認めない
・相手の事情を聞かずに一方的に伝える

たとえば、「あなたはいつも消極的です」はSBIではありません。SBIにするなら、「昨日の会議で、担当領域について意見を求められた場面で、発言がありませんでした。そのため、チームとして判断材料が不足し、結論を持ち越すことになりました」のように整理します。

ただし、改善フィードバックを伝えるときは、相手の事情を聞くことも大切です。SBIで伝えた後に、「何か事情はありましたか」「次回はどう進めるとよさそうですか」と対話につなげると、より建設的になります。

関連フレームワークとの違い

DESC法との違い

DESC法は、事実、気持ち、要望、選択肢の順で、相手に言いにくいことや要望を伝えるフレームワークです。

SBIは、状況、行動、影響の順で、フィードバックを具体的に伝えるフレームワークです。

SBIはフィードバックに特化しています。DESC法は、フィードバックに加えて要望や交渉、相談まで含めたい場合に向いています。

STARとの違い

STARは、Situation、Task、Action、Resultの順で、自分の経験や実績を説明するフレームワークです。

SBIは、相手の行動に対するフィードバックに使います。STARは、自分の経験を整理して伝えるときに使います。

評価面談では、上司が部下に伝えるフィードバックにはSBI、部下が自分の成果を説明する場面ではSTARが使いやすいです。

PREP法との違い

PREP法は、結論、理由、具体例、再結論の順で、主張をわかりやすく伝えるフレームワークです。

SBIは、特定の行動に対してフィードバックするための型です。自分の意見を主張したい場合はPREP法、相手の行動に対して具体的に伝えたい場合はSBIが向いています。

議事録フレームとの違い

議事録フレームは、会議の内容を整理するための型です。

SBIは、会議中や会議後に、メンバーの行動に対してフィードバックする型です。たとえば、会議でのファシリテーション行動をSBIでフィードバックし、その会議結果を議事録フレームで残すという使い分けができます。

エレベーターピッチとの違い

エレベーターピッチは、短時間で自分の提案や価値を伝えるための型です。

SBIは、短く伝えることもできますが、目的は提案ではなくフィードバックです。相手の行動を成長につなげる場面ではSBI、短時間で提案の魅力を伝える場面ではエレベーターピッチが向いています。

SBIはどんな場面で使うと効果的か

SBIは、相手の行動に対して具体的なフィードバックをしたい場面で効果的です。

具体的には、次のような場面で使えます。

・1on1ミーティング
・評価面談
・部下や後輩への育成指導
・会議後の振り返り
・プロジェクトメンバーへのフィードバック
・研修後のコメント
・良い行動をほめる場面
・改善してほしい行動を伝える場面

SBIは、良いフィードバックにも改善フィードバックにも使えます。むしろ、普段から良い行動をSBIで具体的に伝えることで、信頼関係が築きやすくなります。

まとめ

SBIは、Situation、Behavior、Impactの順番でフィードバックを伝えるフレームワークです。

仕事では、相手の成長を支援するためにフィードバックが欠かせません。しかし、伝え方が抽象的だったり、人格評価のようになったりすると、相手は受け止めにくくなります。SBIを使うことで、具体的な状況、行動、影響に基づいて、相手が理解しやすいフィードバックを伝えられます。

特に、1on1、評価面談、部下育成、会議後の振り返り、プロジェクト運営などで効果的です。

次に誰かへフィードバックするときは、「いつの場面で」「どんな行動があり」「どんな影響があったか」を一度メモしてから伝えてみましょう。

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