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EVMとは?初心者向けに意味・使い方・具体例をやさしく解説

プロジェクトを進めていると、「予定より進んでいるのか遅れているのか」「予算を使いすぎていないか」「このまま進めると最終的にいくらかかるのか」が分かりにくくなることがあります。

進捗会議では「だいたい順調です」「少し遅れています」「予算はまだ大丈夫です」といった表現が使われがちです。しかし、こうした感覚的な報告だけでは、プロジェクトの本当の状態を判断しにくいことがあります。

たとえば、作業は50%終わっているように見えても、予算を80%使っていれば危険かもしれません。逆に、予算はあまり使っていなくても、予定していた成果物が完成していなければ、スケジュール上は遅れている可能性があります。

そこで役立つのが、EVMです。

EVMは、プロジェクトの進捗、コスト、スケジュールを数字で管理するためのフレームワークです。英語ではEarned Value Managementといい、日本語では「アーンド・バリュー・マネジメント」や「出来高管理」と呼ばれることがあります。

初心者にとっては少し専門的に感じるかもしれませんが、基本の考え方はシンプルです。「予定していた価値」「実際に得られた価値」「実際に使ったコスト」を比べて、プロジェクトの状態を把握する方法です。

目次

この記事でわかること

・EVMとは何か
・EVMは何に使うのか
・EVMの基本的な考え方
・EVMの使い方
・EVMの具体例
・関連フレームワークとの違い

最初から完璧に使いこなす必要はありません。まずは「EVMはプロジェクトの進捗とコストを数字で見える化するための型だ」とつかめれば十分です。

EVMとは?

EVMとは、Earned Value Managementの略です。

プロジェクトの進捗状況を、作業の完了度、予定、実績コストを組み合わせて定量的に管理する手法です。

日本語では「出来高管理」と呼ばれることがあります。ここでいう出来高とは、「実際にどれだけの価値が生み出されたか」という意味です。

通常の進捗管理では、「作業が何%終わったか」だけを見ることが多いです。また、通常のコスト管理では、「予算をどれだけ使ったか」だけを見ることがあります。

しかし、EVMでは次の3つを組み合わせて考えます。

・予定ではどれだけ進んでいるはずか
・実際にはどれだけ成果が出ているか
・その成果を出すためにいくら使ったか

たとえば、100万円の予算で10個の成果物を作るプロジェクトがあるとします。予定では5個完成しているはずの時点で、実際には4個しか完成しておらず、すでに60万円使っていたとします。

この場合、単に「4個完成した」と見るだけでは不十分です。予定より遅れていて、しかもコストを多く使っている可能性があります。

EVMを使うと、このような状態を数字で把握できます。

初心者向けに言い換えるなら、EVMは「予定、成果、費用を比べて、プロジェクトが本当に順調かを確認する方法」です。

一言でいうと、EVMはプロジェクトの進捗とコストを定量的に管理するためのフレームワークです。

EVMは何に使うのか

EVMは、プロジェクトの進捗とコストを客観的に把握するために使います。

プロジェクトでは、スケジュールだけを見ても、コストだけを見ても、全体像は分かりません。予定より遅れているのか、予算を使いすぎているのか、今のまま進むと最終的にどうなりそうかを総合的に見る必要があります。

EVMは次のような目的で使われます。

・プロジェクトの進捗を数字で把握する
・予定より進んでいるか遅れているかを確認する
・予算内で進んでいるかを確認する
・コスト超過の兆候を早めに発見する
・スケジュール遅延の兆候を早めに発見する
・最終的なコスト見込みを予測する
・上司や関係者に客観的な進捗報告をする
・プロジェクトの立て直し判断に使う

たとえば、進捗会議で「今月は順調です」と報告しても、その根拠が曖昧だと判断しにくくなります。EVMを使えば、「予定では50%完了しているはずですが、実績では40%です。さらにコストは予算の60%を使っています」といった形で、状態を具体的に説明できます。

EVMは、特に予算や納期が重要なプロジェクトで効果を発揮します。システム導入、設備導入、研究開発、製造立ち上げ、大型イベント、外部委託プロジェクトなどで使いやすい考え方です。

どんな人に向いているか

EVMは、プロジェクトの進捗やコストを管理する必要がある人に向いています。

特に、次のような人におすすめです。

・プロジェクトマネージャーを任された人
・進捗報告を数字で行いたい人
・予算管理を伴うプロジェクトを担当している人
・スケジュール遅延やコスト超過を早めに見つけたい人
・上司や経営層に客観的な説明をしたい人
・外部ベンダーや委託先の進捗を管理したい人
・システム導入、設備投資、研究開発などに関わる人
・感覚的な進捗管理から脱却したい人

EVMは、大規模プロジェクトだけでなく、中規模の業務改善や社内施策でも使えます。

たとえば、社内研修プログラムの開発、Webサイト制作、営業ツール整備、業務マニュアル作成、展示会準備などでも、「予定」「成果」「コスト」を比べたい場合には役立ちます。

ただし、非常に小さなタスクや、コストを細かく管理しない仕事では、EVMを本格的に使う必要はないかもしれません。EVMは、一定以上の規模があり、進捗と費用を管理したいプロジェクトで効果を発揮します。

EVMの基本的な考え方

EVMの基本は、3つの数字を比べることです。

・PV
・EV
・AC

PVはPlanned Valueの略です。日本語では「計画価値」と呼ばれます。ある時点までに、計画上どれだけの価値を生み出している予定だったかを表します。

EVはEarned Valueの略です。日本語では「出来高」や「獲得価値」と呼ばれます。実際に完了した作業に相当する価値を表します。

ACはActual Costの略です。日本語では「実コスト」と呼ばれます。実際に使った費用を表します。

この3つを比べることで、プロジェクトの状態を判断します。

たとえば、ある時点でPVが100万円、EVが80万円、ACが120万円だったとします。

これは、計画では100万円分の作業が終わっているはずだったのに、実際には80万円分の成果しか出ておらず、そのために120万円使っている状態です。

この場合、予定より遅れていて、コストも使いすぎている可能性があります。

EVMでは、さらに次のような指標も使います。

・SV
・CV
・SPI
・CPI

SVはSchedule Varianceの略で、スケジュール差異です。EVからPVを引いて求めます。EVがPVより小さければ、予定より遅れていると判断できます。

CVはCost Varianceの略で、コスト差異です。EVからACを引いて求めます。EVがACより小さければ、コスト超過の可能性があります。

SPIはSchedule Performance Indexの略で、スケジュール効率指数です。EVをPVで割って求めます。1より小さければ予定より遅れています。

CPIはCost Performance Indexの略で、コスト効率指数です。EVをACで割って求めます。1より小さければコスト効率が悪い状態です。

初心者の場合、まずはPV、EV、ACの3つを理解すれば十分です。SVやCPIなどの指標は、慣れてきてから使えば問題ありません。

EVMの使い方

手順1 プロジェクトの作業と予算を整理する

最初に、プロジェクトの作業と予算を整理します。

EVMは、予定、成果、コストを比較する手法です。そのため、そもそもプロジェクトで何を行い、それぞれにどれだけの予算や工数を割り当てるのかを決めておく必要があります。

この段階では、WBSを使うと便利です。WBSでプロジェクトを作業単位に分解し、それぞれの作業に予算や工数を割り当てます。

たとえば、社内システム導入プロジェクトなら、次のような作業があります。

・要件定義
・ベンダー選定
・契約手続き
・システム設定
・テスト
・利用者向け説明会
・本番移行
・運用開始後サポート

それぞれの作業に対して、必要な費用や工数を見積もります。

EVMでは、単に「プロジェクト全体で500万円」とするだけではなく、可能であれば作業単位で価値を割り当てると管理しやすくなります。

手順2 基準となる計画を作る

次に、基準となる計画を作ります。

EVMでは、実績を評価するための比較対象が必要です。この比較対象がなければ、予定より進んでいるのか、遅れているのかを判断できません。

基準となる計画では、次の内容を整理します。

・各作業の開始予定日
・各作業の終了予定日
・各作業に割り当てた予算
・各時点で完了しているべき作業
・各時点で獲得しているはずの価値

たとえば、プロジェクト全体の予算が100万円で、4週間で完了する計画だとします。単純化すると、1週目で25万円分、2週目で50万円分、3週目で75万円分、4週目で100万円分の価値を達成する計画になります。

この「ある時点までに達成しているはずの価値」がPVです。

もちろん、実務では各週で均等に進むとは限りません。前半に設計が多く、後半に実装やテストが集中することもあります。その場合は、作業ごとの計画に応じてPVを設定します。

手順3 実際の出来高を確認する

次に、実際の出来高を確認します。

出来高とは、実際に完了した作業に相当する価値です。これがEVです。

ここで注意したいのは、単に「担当者が頑張った時間」ではなく、「実際に完成した成果」に基づいて評価することです。

たとえば、10万円分の価値がある資料作成タスクがあるとします。担当者が長時間作業していても、資料が完成していなければ、EVを100%として扱うのは危険です。

出来高の評価方法には、いくつかの考え方があります。

・完了したら100%として評価する
・進捗率に応じて評価する
・成果物のレビュー完了時に評価する
・マイルストーン達成時に評価する
・作業単位ごとに細かく評価する

初心者には、「完了した成果物だけをEVとして扱う」方法が分かりやすいです。中途半端な進捗率を入れると、実態より進んで見えることがあるためです。

ただし、長期間かかる作業では、0%か100%だけでは管理しにくい場合があります。その場合は、25%、50%、75%、100%のように段階的に評価してもよいでしょう。

手順4 実際に使ったコストを確認する

次に、実際に使ったコストを確認します。

これがACです。

ACには、実際に支払った費用だけでなく、必要に応じて人件費や外注費、材料費、ツール費用などを含めます。

たとえば、次のような費用が対象になります。

・外部委託費
・システム利用料
・材料費
・設備費
・人件費相当の工数
・出張費
・会場費
・撮影費
・制作費

社内プロジェクトでは、人件費を正確にコスト換算するのが難しい場合があります。その場合は、工数ベースで簡易的に管理しても構いません。

たとえば、1人日を5万円として換算する、あるいは「予定工数」と「実績工数」を比較する方法があります。

重要なのは、EVとACを同じ前提で比べることです。成果は金額換算しているのに、コストは工数だけで見ると、比較が分かりにくくなります。最初は簡易的でもよいので、ルールを決めて一貫して管理することが大切です。

手順5 PV・EV・ACを比較して判断する

最後に、PV、EV、ACを比較してプロジェクトの状態を判断します。

基本的な見方は次の通りです。

EVがPVより大きければ、予定より進んでいます。EVがPVより小さければ、予定より遅れています。

EVがACより大きければ、使ったコストに対して十分な成果が出ています。EVがACより小さければ、コスト効率が悪く、予算超過の可能性があります。

たとえば、次のような状態を考えます。

・PV:100万円
・EV:80万円
・AC:120万円

この場合、予定では100万円分の価値を達成しているはずでした。しかし、実際には80万円分しか達成していません。さらに、そのために120万円使っています。

つまり、スケジュール面でも遅れており、コスト面でも悪化している状態です。

一方、次のような状態ならどうでしょうか。

・PV:100万円
・EV:110万円
・AC:90万円

この場合、予定より多くの成果を出しており、使ったコストも少ないため、非常に良い状態と考えられます。

EVMでは、こうした判断を感覚ではなく数字で行える点が大きな特徴です。

EVMの具体例

例 社内研修教材を作成する場合

社内研修教材を作成するプロジェクトでEVMを使う例を考えてみます。

プロジェクト全体の予算を100万円、期間を4週間とします。成果物は次の通りです。

・研修構成案
・スライド資料
・講師用原稿
・確認テスト
・受講者アンケート
・LMS掲載用データ

計画では、2週目終了時点で全体の50%、つまり50万円分の価値が完了している予定だったとします。これがPVです。

2週目終了時点で確認したところ、実際に完成していたのは研修構成案とスライド資料の一部で、出来高としては40万円分でした。これがEVです。

一方で、外注費や社内工数を含めると、すでに60万円分のコストを使っていました。これがACです。

この場合、次のようになります。

・PV:50万円
・EV:40万円
・AC:60万円

この状態から分かることは、予定より進捗が遅れており、さらにコストも使いすぎているということです。

単なる進捗報告では「スライド作成中です」と表現されるかもしれません。しかし、EVMで見ると、計画に対して遅れており、コスト効率も悪いことが明確になります。

この場合、対応策としては次のようなものが考えられます。

・作業範囲を見直す
・レビュー回数を減らす
・テンプレートを活用して作成時間を短縮する
・外注範囲を整理する
・追加人員を入れるか判断する
・納期や品質基準を再調整する

EVMを使うことで、問題が深刻化する前に手を打ちやすくなります。

別の例 Webサイト制作の場合

Webサイト制作プロジェクトでもEVMは使えます。

たとえば、Webサイト制作の予算が200万円、期間が8週間だとします。4週目終了時点で、計画では全体の50%、つまり100万円分の作業が完了している予定でした。

この時点のPVは100万円です。

実際には、サイト設計とトップページデザインは完了していましたが、下層ページのデザインと原稿作成が遅れており、出来高としては80万円分でした。これがEVです。

一方で、すでに制作会社への支払い、社内確認工数、撮影費などで110万円分のコストが発生していました。これがACです。

この場合、次のようになります。

・PV:100万円
・EV:80万円
・AC:110万円

この状態では、予定より進捗が遅れており、コストも高くなっています。

もしこの状態を放置すると、公開直前に作業が集中し、追加費用や品質低下が起こる可能性があります。

EVMで早めに状況を把握できれば、次のような対策を検討できます。

・ページ数や機能範囲を見直す
・確認フローを短縮する
・原稿作成の担当を増やす
・優先度の低いコンテンツを公開後対応に回す
・制作会社との作業分担を見直す
・公開日を調整する

Webサイト制作では、見た目には進んでいるように見えても、実際の成果物が完成していないことがあります。EVMを使うと、感覚ではなく出来高で判断しやすくなります。

具体例でわかるポイント

EVMの具体例からわかるポイントは、次の通りです。

・進捗は感覚ではなく出来高で確認する
・予定より進んでいるか遅れているかを数字で判断できる
・使ったコストに対して成果が出ているかを確認できる
・スケジュール遅延とコスト超過を同時に把握できる
・早い段階で立て直し策を考えやすい
・上司や関係者への説明に使いやすい

EVMは、進捗管理とコスト管理を分けて考えるのではなく、成果を中心にして両方をつなげて見るためのフレームワークです。

EVMを使うメリット

EVMを使う最大のメリットは、プロジェクトの状態を客観的に把握できることです。

プロジェクトでは、担当者の主観や雰囲気によって「順調」「遅れている」と判断されることがあります。しかし、主観的な報告だけでは、実際の問題を見落とすことがあります。

EVMを使うメリットは次の通りです。

・進捗を数字で把握できる
・スケジュール遅延を早めに発見できる
・コスト超過を早めに発見できる
・予定と実績の差を明確にできる
・成果物ベースで進捗を評価できる
・上司や経営層に説明しやすい
・最終コストの見通しを立てやすい
・プロジェクトの立て直し判断に使える
・感覚的な進捗報告を減らせる

特に実務で大きいのは、「進んでいるように見えるが、実は危ない」という状態を見つけやすいことです。

たとえば、会議では多くの作業が進んでいるように報告されていても、完成した成果物が少なく、コストだけが増えている場合があります。EVMでは、EVとACを比較するため、このような状態に気づきやすくなります。

また、EVMはプロジェクトの説明責任にも役立ちます。上司や関係者に対して、「なぜ遅れているのか」「どこに追加コストが発生しているのか」「このまま進むとどうなるのか」を数字で説明できます。

EVMを使うときの注意点

EVMは便利な手法ですが、使い方を間違えると、かえって現場に負担をかけることがあります。

まず注意したいのは、出来高の評価ルールを曖昧にしないことです。何をもって「完了」とするのかが曖昧だと、EVの数字も信頼できません。

たとえば、「資料作成80%完了」と言っても、人によって意味が異なります。本文はできているがレビュー前なのか、レビュー済みで修正中なのか、最終承認済みなのかによって、実際の価値は変わります。

よくある失敗例は次の通りです。

・PV、EV、ACの定義が曖昧
・出来高を主観的な進捗率で評価してしまう
・成果物が未完成なのにEVを高く見積もる
・コストの範囲が一貫していない
・工数を正確に把握できていない
・細かく管理しすぎて現場負担が大きくなる
・数字だけを見て品質を見落とす
・プロジェクト途中で計画を更新しない
・遅れの原因分析をしない
・EVMを報告資料作成だけのために使う

特に注意したいのは、EVMは品質を直接測るものではないという点です。

EVが高くても、成果物の品質が低ければ、後で大きな手戻りが発生する可能性があります。そのため、EVMは品質管理やリスク管理と組み合わせて使う必要があります。

また、すべての小さな業務にEVMを厳密に適用すると、管理コストが高くなりすぎます。最初は重要なプロジェクトや、予算・納期への影響が大きいプロジェクトから使うのが現実的です。

関連フレームワークとの違い

EVMと似た場面で使われるフレームワークはいくつかあります。それぞれの違いを理解しておくと、プロジェクト管理で使い分けしやすくなります。

ガントチャートとの違い

ガントチャートは、作業とスケジュールを時間軸で見える化するためのツールです。

ガントチャートが「いつ何をするか」を示すのに対して、EVMは「予定に対してどれだけ成果が出ていて、どれだけコストを使っているか」を管理します。

ガントチャートはスケジュールの見える化、EVMは進捗とコストの定量管理に強いフレームワークです。

実務では、ガントチャートで計画を作り、その進捗とコストをEVMで確認する流れが使いやすいです。

WBSとの違い

WBSは、プロジェクトの作業を分解するためのフレームワークです。

EVMを使うには、まず作業を適切に分解しておく必要があります。そのため、WBSはEVMの前提になりやすいフレームワークです。

WBSが「何をやるか」を整理するものだとすれば、EVMは「その作業が予定通り進んでいるか、予算内で進んでいるか」を確認するものです。

WBSは作業分解、EVMは実績管理に強いフレームワークです。

PERTとの違い

PERTは、不確実性を考慮して作業期間を見積もるための手法です。

PERTは主に計画段階で使われます。一方、EVMはプロジェクトが進行している段階で、計画に対する実績を確認するために使います。

PERTは作業期間の見積り、EVMは進捗とコストの実績管理に向いています。

たとえば、PERTで作業期間を見積もり、ガントチャートで計画を作り、進行中はEVMで状況を管理する、という使い方ができます。

クリティカルパス法との違い

クリティカルパス法は、プロジェクト全体の納期に直結する重要な作業経路を見つける手法です。

EVMは、進捗とコストを定量的に管理します。

クリティカルパス法が「どの作業が遅れると全体納期に影響するか」を見るのに対して、EVMは「計画に対して出来高とコストがどうなっているか」を見ます。

納期リスクを把握するにはクリティカルパス法、進捗とコストの実績管理にはEVMが有効です。

RAIDログとの違い

RAIDログは、リスク、前提、課題、依存関係を管理するためのフレームワークです。

EVMは数値で進捗とコストを管理します。一方、RAIDログは、プロジェクト上のリスクや課題の内容を記録し、対応状況を管理します。

たとえば、EVMでコスト超過の兆候が見つかった場合、その原因が外部ベンダーの納期遅れや追加仕様であれば、RAIDログに課題やリスクとして記録するとよいでしょう。

EVMは状態の数値把握、RAIDログは原因や対応策の管理に向いています。

EVMはどんな場面で使うと効果的か

EVMは、進捗とコストを同時に管理したいプロジェクトで効果的です。

逆に、コスト管理が不要な小さな作業や、短期間で終わる単純なタスクでは、EVMを本格的に使う必要はあまりありません。

EVMが効果的な場面は次の通りです。

・システム導入プロジェクト
・設備導入プロジェクト
・新商品開発
・研究開発プロジェクト
・Webサイト制作
・外部委託を含むプロジェクト
・大型イベントの準備
・社内研修プログラムの開発
・業務改善プロジェクト
・製造ライン立ち上げ
・DX推進プロジェクト
・予算管理が必要な全社施策

特に、「予定より進んでいるのか」「コストを使いすぎていないか」「このまま進めてよいのか」を判断したい場面で有効です。

EVMは、プロジェクトの早い段階で異常を発見するためのレーダーのような役割を果たします。数字に基づいて状況を把握できるため、感覚的な進捗報告から一歩進んだ管理ができます。

まとめ

EVMは、プロジェクトの進捗とコストを定量的に管理するためのフレームワークです。

プロジェクトでは、「予定通り進んでいるか」「予算内で進んでいるか」を判断する必要があります。しかし、作業の進捗だけを見ても、コストだけを見ても、全体の状態は分かりません。

EVMでは、PV、EV、ACという3つの数字を使って、計画、出来高、実コストを比較します。これにより、スケジュール遅延やコスト超過の兆候を早めに見つけることができます。

特に、予算や納期が重要なプロジェクトでは、EVMを使うことで、感覚ではなく数字に基づいた判断がしやすくなります。ただし、出来高の評価ルールやコストの範囲を明確にしておかないと、数字の信頼性が下がるため注意が必要です。

まずは、今進めているプロジェクトについて、「予定ではどこまで終わっているはずか」「実際にどこまで完成しているか」「どれだけコストを使ったか」を書き出して、簡単なEVMの考え方で確認してみましょう。

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